「美人なのに自己肯定感が低い」31歳女子を形成した壮絶半生

「普通の女子」になれなかった私へ2019年3月8日掲載

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好きな男からの「モラハラ」

 そして1年前、私は精神を病んで心療内科を受診した。過労が大きな要因の一つだったが、追い打ちをかけたのが失恋・依存対象者の消失だった。音もなく心が崩れた。しかし、仕事だけは私を認めてくれる。記事を書けば莫大なPV数を叩き出し、それに見合った報酬が入る。完全に脳と感情は麻痺していた。とにかく仕事。仕事だけが私を認めてくれる、とパソコンに向かった。

 私をジワジワと殺していったのは、当時私に一瞬好意を抱いて言い寄ってきた男性からの言葉の暴力だった。仕事以外で私を求めてくる男性はいなかったので、私はのちに彼に依存することになった。ちなみに、お付き合いはしていない。

「なんでそんな、田舎の女子大生みたいなダサい服着てんの?」

 ある時彼にそう問いかけられた。当時、私はOLっぽい小綺麗な所謂「彼ママウケする服」を着ていた。このブランドはうちの母が大好きで、帰省するたびに一緒に買い物に行き、試着室で私に着せて「いいね」と褒め、多いときは一度で6万円分近くの服を買ってくれた。学生時代に仲の良かった友達もこの界隈のブランドが好きで、一緒に買い物に行き、色違いでお揃いの服を買ったこともある。そんな友達との楽しい思い出も一緒に、彼から踏みにじられたように感じた。

 そんな服を彼に否定された。もしかして私は、とんでもなく変な格好をしていて、それを見てみんな嘲笑しているのではないか。そんな妄想に囚われ、外を出歩けなくなってしまった。それを見かねた友人が、私に似合いそうなカジュアル系ブランドの店に連れて行ってくれ、そこで大量に試着をさせた。着慣れない服に「着せられている感」が否めなかったが、試着室を覗いた友人と店員さんはべた褒めしている。

 それからも何度か友人に買い物に付き合ってもらい、私は完全にファッションを変えた。ロングだった髪もバッサリと切ってボブにした。頭のてっぺんから足の爪先まで全て変えることは大きな勇気を必要とした。

 ところが、ここまで努力して変えたファッションを見た彼の反応は「本当に服変えるなんてドン引きする」だった。お前が言ったんだろうが。彼いわく、以前の私の格好は個性がない、そして人に言われてから変えるなんてもっと「個」がない、とのことだった。「人の顔色をうかがっている姿にイライラする」とも言われた。明らかにモラハラであるが、そのときの私はモラハラをモラハラと気づけなかった。

 なぜ私にモラハラ発言を繰り返すのか疑問に思って聞いてみると「だって服装をディスって本当に変える人、今まで出会ったことがないもん」と。友人数名に「好きな人が好むファッションに合わせた経験があるか」と聞いたところ、全員からイエスという答えが返ってきた。おそらく、彼が健気な女性を見ていないだけ。厳しい言い方だが、半径5m以内の人物しか見えていないのだろう。なんと狭い視野で生きてきたのだろうかと気の毒にさえ思う。
 
 度重なるモラハラに「私を見下してもいい存在と思っているからそのようなことを言うのでは?」と彼に問いただしたこともあった。しかし「僕は君と同じ視点だからこそ、もっと良くなってほしくてアドバイスをしているんだよ」と、言い訳めいたセリフを吐かれた。そうやって姿格好を変えた私を「前よりいい女になったじゃん」と、上から目線で彼が言い放ったこともあった。

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