宿泊客を暴行、規約無視で3千万円裁判沙汰も… 新法施行で「民泊」は変わるのか
1兆3千億円市場「民泊」に新法で「やめる人」「もぐる人」――吉松こころ(上)
世界中で活況を呈し、国内だけでも1兆円超えの潜在市場を誇る「民泊」。これに6月15日から新たなルールが盛り込まれることになった。それまでのザルの網の目が狭まって……。濡れ手で粟と儲けてきた中には、やめる人、もぐる人、あるいは、と様々なのである。
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民泊とは、旅行者などが一般の民家に宿泊することを指してきた。
しかし、その本来の意味に留まらなくなったのは、2014年5月のこと。「エアビーアンドビー」と呼ばれる民泊仲介サイトが日本に上陸したからだ。
「エアビー」こと「Airbnb」は、08年に米国で生まれた。ひとことで表すなら、ゲスト(旅行者)とホスト(貸し手)を結びつけるインターネット・サービスである。
ここでは、民泊検索、予約、決済、ホストとのやりとり、レビューの書き込みなどがすべてネット上でできる。探す側、貸す側、共に便利で、世界191カ国、6万5千以上の都市で利用されており、ここに来て「来年にも上場」という観測記事も出始めた。
すでに民泊は、モノやサービスを共有する「シェアリングビジネス」の代表格と呼ばれるようになっている。その市場規模は表向き、16年で6783億円だが、潜在的には1兆3121億円まで拡大する可能性があると試算されているのだ(情報通信総合研究所調べ)。
また、観光庁の発表によると、17年7〜9月期に民泊を利用した人の割合は、訪日外国人全体のうち12・4%を占め、ユースホステルやゲストハウスのそれを上回る。さらに、国内での平均泊数は、民泊非利用者が5・9日なのに対し、民泊利用者は7・6日。後者は宿泊代金を抑えられるため、飲食費や買い物に使う費用が、前者よりも高かったことも判明している。
年代別に見ると、20代以下では61・3%が民泊を利用していた。民泊が日本にもたらす経済効果は大きく、これからもっと拡大していきそうなことを、数字は雄弁に物語っているのである。
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