都心の「3畳ワンルーム」で年商30億円 不動産会社の社長は31歳

企業・業界2018年6月1日掲載

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3畳のリビングに3畳のロフトで大ヒット

 デイリー新潮は4月11日「都心で新築・3畳ワンルーム…超コンパクト物件が大人気のワケ」の記事を掲載した。こうした物件を現在、「都心で最も建てて、最も売っている」会社が、不動産業のスピリタス(東京都港区虎ノ門)だ。

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 例えば同社がJR山手線・新大久保駅の近くに建設したアパートを見てみよう。駅徒歩6分という近さだ。1部屋の総面積は9平米、約5.81畳。ここからキッチンとトイレ、シャワールームのスペースを確保すると、残ったリビングは約3畳となる。

 3畳のロフトがあるため、寝るスペースは別に確保できる。スマホを活用すれば、リビングにテレビやステレオを置く必要はない。食事も外食やコンビニ弁当なら、調理器具や食器も不要だ。

 それでもキッチンは最低限、自炊できるスペースを確保している。またキッチンは料理以外でも洗顔や歯磨きに活躍するため、シャワールームに洗面台は存在しなくても大丈夫というわけだ。

 家賃は管理費込みで6万円台。敷金、礼金、更新料はゼロだ。2017年11月に21部屋で入居者を募集したが、すぐに満室となった。他にも「恵比寿駅徒歩10分」や「目黒駅徒歩7分」、「戸越駅徒歩6分」といった物件が家賃7万円台で提供されている。この3畳ワンルームのブランド名は「QUQURI(ククリ)」、ギリシャ語で「繭」の意味だという。

店子は低家賃、大家はコストカット

 スピリタスは12年1月に創業。こうした「極小ワンルーム」市場を開拓し、翌13年には数億円の売上を叩きだした。14年は約10億円、15年は15億円を超え、昨年は30億円を突破。まさに鉱脈を発見したと言える。

 同社の創業者で社長を務める仲摩恵佑氏は31歳の若さだ。「土地を押さえれば、ありがたいことに購入してくださるオーナーは何人もいらっしゃいますし、アパートが完成すると即満室になるという好循環が実現できています」と笑顔を浮かべる。

 同社のビジネスモデルを簡単に説明すると、スピリタスは土地を購入し、極小ワンルームのアパートを企画、建設する。それを個人オーナーに売却し、物件への融資付け、設計、施工、賃貸管理などオーナーのアパート経営をサポートしていく。

 一般的なワンルームは約20平米。対してスピリタスの極小ワンルームは約9平米と半分以下だ。面積が狭いため、普通より家賃は2〜3万円ほど下げなければならない。本来なら、オーナーにとって嬉しい話ではないだろう。

 だが面積が半分ということは、単純計算すれば部屋数は倍になる。家賃が安いから人気が高い。退去者が出ても、再び満室となる“空き時間”が短い。

「東京都におけるワンルームの平均空室期間(退去者が出て次の入居者が入るまで)は29.7日という調査があります。しかし、弊社の物件は、ありがたいことに14日程度と半分です。さらに面積が狭いため、退去後のクリーニング代、壁紙などの張り替え代などのコストも圧縮できます。こうして1部屋あたりの家賃は安くとも、家賃収入の総額を増やすことが可能になりました」(仲摩社長)

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