修繕費用は110億円超… 金食い虫「タワマン」のスラム化懸念、その対策例

社会 週刊新潮 2018年5月17日号掲載

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「タワマン」住民が悲鳴を上げた「修繕費が足りない!」(下)

 全国に1300棟超が建てられているというタワーマンション(以下、タワマン)に、修繕費の問題が浮上している。そのコスパの高さゆえ、ディベロッパーが乱立させたものの、

「大規模修繕については業界全体の経験値が低く、いくらかかるのか予測が立てられていません。初期のタワマンが一斉に1回目、2回目の大規模修繕を迎えますから、これから大きな混乱があると思います」(建物診断設計事業協同組合の山口実理事長)。

 修繕引当金を徴収しているマンションも多いが、そもそもの見積もりが甘い場合が少なくない。

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 実際、日経新聞も3月27日付朝刊で、「マンション75% 修繕不安」との見出しで、特にタワマンで修繕積立金が不足している旨を報じた。さくら事務所のマンション管理コンサルタント・土屋輝之氏は、

「われわれのところにも資金が足りない、と駆け込まれるケースが非常に多い」

 と言って、費用が不足する原因を次のように説く。

「最初に、工費の見積もりが甘いケースです。よく見るのは設備のメンテナンスを計画できていない場合で、見落としが多いのが、スプリンクラーや消火設備などの防災設備。非常用の自家発電機など1台3000万~4000万円し、30年ほどで交換の必要がある。こうした諸々を見落としていて、いざ見直すと数億円余計にかかる、ということも珍しくありません」

 修繕工事費が不足する原因は、まだある。

「13年秋ごろ、消費増税を見越した駆け込み需要を受けて工費が値上がりし、われわれの感覚で、修繕工事に従来の1・2~1・3倍かかるようになった。さらには東日本大震災の復旧や東京五輪もあって慢性的な人手不足が続き、工費は値上がりしたまま。五輪後の値下がりを見越して修繕を先送りしている管理組合も多く、五輪後も工費は下がるどころか、値上がりする可能性さえあります」(同)

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