修繕費用は110億円超… 金食い虫「タワマン」のスラム化懸念、その対策例

社会 週刊新潮 2018年5月17日号掲載

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値上げが先送りされた結果……

 だから積立金を値上げして、来たるべき修繕に備えるほかないはずだが、

「修繕積立金の値上げが先送りされ、資金不足になるケースが多いのです」

 と、土屋氏は言う。

「積立金は、段階増額方式で集めているマンションが圧倒的に多い。築年数が経つにつれ、月々の積立金を値上げしていく方式で、分譲時は少しでも費用を安く見せるため、この方法がとられがちですが、値上げすると払えずに滞納する人や、積立金が高額になった時点で退去する人が出る可能性があって、収入見込が不安定。一気に値上げして、その後は同額を払い続ける均等積立方式で修繕金を集めるほうが安心です」

 だが、住宅ジャーナリストの榊淳司氏によれば、

「特に都市部のタワマンはアベノミクス以降、値上がり期待で購入されるケースが増え、某不動産流通サイトを見ると、去年9月に完成した新宿区のタワマンは、すでに88戸が売りに出されている。タワマンは不動産のなかでも最も金融商品に近く、3~4割が投資用だと言われるほどです」

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