記者を「あんた」呼ばわりする男 麻生財務相は なぜ人を不快にさせるのか

政治2018年5月15日掲載

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「もう二度と来ないでください、あなたは」

 フリーランス記者の執拗な質問は今となっては懐かしいが、それに対する今村氏の回答で「あなた」と「君」が混在しているのが興味深い。

〈(問)自主避難の人にはお金は出ていません。
(答)ちょっと待ってください。あなたはどういう意味でこういう、こうやってやるのか知らないけど、そういうふうにここは論争の場ではありませんから、後で来てください。そんなことを言うんなら。
(問)責任を持った回答をしてください。
(答)責任持ってやってるじゃないですか。何ていう君は無礼なことを言うんだ。ここは公式の場なんだよ。(略)。撤回しなさい。
(問)撤回しません。
(答)しなさい。出ていきなさい。もう二度と来ないでください、あなたは〉

 本当に政治家によって様々なのだが、さすがに「あんた」と呼ぶのは麻生大臣だけのようだ。これが非常に「傲岸不遜」なイメージを生む一因となっている可能性は高い。

 例えばビジネスの世界に置き換えてみると、ある会社の社員がいたとして、その下請けの社員を「あなた」や「君」と呼ぶのに近いシチュエーションだと考えられる。

『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベスト新書)の著者・前川孝雄氏は、リクルートに入社後、「リクナビ」編集長などを経て、08年に人材育成コンサルティングの「FeelWorks」を設立。10年以上にわたり大手企業を中心に350社以上で「人が育つ現場」づくりの支援を続けている。前川氏は「ビジネスの世界における2人称」を「昭和の遺産」と総括する。

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