〈敗戦を機に霊長類宣言〉 公開延期「昭和天皇」ピンク映画、不敬描写の数々

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〈敗戦を機に霊長類宣言〉

 例えば、映画の宣伝に使われた画像の1つに、新聞記事の上に〈世紀のスクープか?〉との一文を重ねたものがある。それは〈新東都〉なる架空の新聞の記事で、年号は〈安晋〉となっている。〈朕、御乱交〉〈今いる陛下は影武者?〉〈宮内省明かさず 槇田侍従長は沈黙〉といった見出しと共に掲載されているのは、男女が向かい合って笑みを浮かべている写真。キャプションには、〈宮殿で寛ぐ最近の王と皇后〉とある。

 ちなみに〈王〉と〈王の影武者〉を演じているのは、荒木監督自身。〈王〉のモデルが天皇陛下だとすると、宮内庁が目をむきそうだが、いくつかのバージョンがある映画の解説文やあらすじを読むと、それはより明確になる。

 この映画に関するある資料にはこう記されている。

〈モデルがない某国の象徴としての王は、長年神として崇められていたが、敗戦を機に霊長類宣言をし、打ちひしがれ生活苦にあえぐ国民と直にお話しする為に巡幸していた〉

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