米ドル獲得に血道を上げる北朝鮮の「裏ビジネス」最新事情 象牙にサイの角、偽ドル札に覚醒剤、そしてマツタケも…

韓国・北朝鮮2017年10月13日掲載

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 スイスに本部を置くNGO「The Global Initiative Against Transnational Organized Crime(国際組織犯罪対策会議)」が今年9月、北朝鮮の“犯罪行為”に関するレポートを発表した。日本でも反響を呼んだのは、アフリカに駐在する北朝鮮の外交官が、象牙やサイの角を違法に取引している実態が明らかになったからだ。

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 象牙やサイの角の取引は、ワシントン条約などで原則禁止。しかし象牙は印鑑、サイの角は漢方薬などの需要が根強く、依然として密猟・密輸が横行している。では、どうして北朝鮮の外交官が、遠いアフリカの地で暗躍しているのか。その説明には少し歴史を遡る必要がある。

 北朝鮮は1960~70年代にかけて、積極的にアフリカ諸国と国交を樹立してきた。当時は冷戦期であり、同じ“東側陣営”であるはずの中国とソ連の対立が顕在化。当時の金日成主席が対策として「第三世界外交」を活発化させたのだ。

 現在、アフリカの国連加盟国は54カ国。その中で北朝鮮との国交断絶が取沙汰されているのは、南アフリカに囲まれたレソト王国のみ。しかも専門家の間には断絶への異論も存在するようだ。たとえ断絶が事実だとしても、北朝鮮がアフリカに大きな“橋頭堡”を築いているのは間違いない。

 こうして北朝鮮は外交官の外交特権を利用し、アフリカで象牙とサイの角の密輸で外貨を獲得してきた。NGOのレポートによれば1986年以来、サイの角や象牙の密売買事件29件のうち、少なくとも18件で北朝鮮の外交官が関与していたという。

 例えば2016年にはエチオピアの国際空港で大量の象牙を持ち出そうとして外交官パスポートを持つ2人の男が拘束。15年には南アフリカ共和国に駐在する北朝鮮大使館員ら2人の男が、モザンビーク共和国で地元警察の捜査を受け、車からサイの角4.5キロと、現金10万ドルが発見されている。

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