米ドル獲得に血道を上げる北朝鮮の「裏ビジネス」最新事情 象牙にサイの角、偽ドル札に覚醒剤、そしてマツタケも…

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覚醒剤の生産大国はメキシコ、中国、そして北朝鮮?

 財務省は今年2月、昨年16年の全国税関における関税法違反事件の取締り状況を発表した。これによると、覚醒剤の摘発件数のうち、日本に対する“輸出国”のトップ5は、①中国(34件)、②台湾(16件)、③米国(12件)、④タイ(6件)、④メキシコ(6件)――となっているという。

 メキシコは現在、世界最大の覚醒剤生産国とも言われる。地球の裏側からの “産地直送”というわけだ。中国も昔からの常連国家だが、疑問に浮かぶのは北朝鮮だ。少なくとも90年代後半から00年代初頭にかけて、中国と北朝鮮が“輸出元”のトップを争っていたはずなのだ。

 中国は依然として1位を占めているにもかかわらず、北朝鮮は5位にも入っていない。覚醒剤の製造を中止したのなら当然だが、現在の北朝鮮は国内の覚醒剤汚染が深刻化しているという。やはり、中国に流されていると考えるのが自然ではないだろうか。國學院大学栃木短期大學で非常勤講師を務める宮塚寿美子氏が解説する。

「2001年に東シナ海で海上保安庁の巡視艇と交戦し、最後は自沈した北朝鮮の工作船は、98年に日本の暴力団に覚醒剤を売り渡した船だったことが明らかになっています。現在は監視体制の強化から減少傾向にあり、代わりに違法イカ釣り漁船が、かつての工作船と同じ役割を果たしていると考えられています。つまり北朝鮮の覚醒剤は中国経由で日本に密輸されている可能性があることになります。例えば今年7月から8月にかけて、日本の排他的経済水域に北朝鮮のイカ釣り漁船が約800隻押しかけました。海上保安庁の巡視船は放水を行い、甲板で作られていた干しイカを台無しにすることで撃退したのですが、一部の漁船は艦底に覚醒剤や銃器を隠し持ち、イカと一緒に中国側へ売りさばいていたというのです。放水を嫌がったのは、イカより覚醒剤や武器が濡れるのを恐れたためかもしれません」

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