躍進サニブラウン、稼ぎでも目指す「ボルト超え」

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「ボルト超え」

 世界陸上を終えたサニブラウンは日本に帰らず、そのままアメリカ入り。間もなく、フロリダ大学での生活が本格的に始まる。

「フロリダ大はNCAA(全米大学体育協会)に所属している。NCAAの規定では、サニブラウンのように学費全額免除で生活費が支給される奨学生については、スポンサーやCMなど、金銭を伴う契約は禁止されています」(スポーツライターの酒井政人氏)

 となると、大学在学中に9秒台を出してもすぐには「金銭」に繋がるわけではない。しかし、

「9秒台を出せば多くの企業が彼をスポンサーとしてバックアップしたがるでしょう。それを機に大学を辞めてプロ転向というのが一番良いシナリオです」

 と、スポーツ紙記者。

「プロ陸上選手の一番の収入はCM契約、あとはレース出場の招待料。ちなみにシドニー五輪で金メダルをとった高橋尚子は翌年、積水化学に所属したまま事実上プロに転向。推定年収は、明治乳業など7社とのCM契約料などでおよそ4億円に達しました」

 スポーツライターの折山淑美氏が言う。

「サニブラウンは9秒台を出した後、今度は世界陸上や五輪でメダルをとることが求められます。そのレベルに達すれば、高橋尚子クラスの年収4億円も夢ではないと思います」

 ちなみにボルトの直近1年間の収入は約37億円。さすがに桁が違うのだ。

 世界陸上のレースが終わった後、コーチのレイダー氏はこう話したという。

「(サニブラウンの今後の)成長は青天井だ。(20年の)東京五輪の後には、すごく有名で、お金持ちになっているだろうね」

 記録のみならず、稼ぎの面でも「ボルト超え」。サニブラウンはそんな“夢”を追い始めたばかりだ。

週刊新潮 2017年8月31日秋風月増大号掲載

ワイド特集「夢追い人が夏を追う」より

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