「ツキノワグマ掌まるごと」そば、「1本6500円」の最高級食パン 日本の超高級ガイド

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1本6500円の最高級XO食パン

 さて、マタギの里同様、熊肉食のジビエ文化が浸透しているのがフランス。そのソウルフード、パンに着目したい。食パン作りを極めた職人が日本にもいるからだ。1本(2斤)6500円(税込)もする「XO食パン」を世に送り出した食パン専門店「レトワブール」(兵庫県姫路市)の大島弘氏である。何故こんなに高いのか。

「すごく手間暇をかけているからです。まず1日目に、小麦粉を熱湯でこね、湯種(ゆだね)を作ります。水ではなく熱湯で練ることで、もちもちした食感が出る。それを2日間、置き、小麦の風味を引き出す。3日目に、この湯種とは別に小麦粉、生クリーム、卵、粉末の食用真珠を混ぜて、30分間寝かせます。そこに湯種と、1週間前に作っておいたXOの生地を混ぜ合わせ、さらに1時間寝かせる。その後、ドライイースト、バターを加え、2時間発酵させます。さらに1時間半最終発酵させてから40分かけて焼き、完成。普通の食パンなら5時間ほどで作れますが、XO食パンはその10倍の55〜56時間かける。僕が持つ技術、知識をすべて詰め込んだ、最高傑作です」(大島氏)

真珠まで混ぜた高級感

 最高級素材を使用している点も高価な理由の一つ。

「小麦は味わい深いフランス産のもの。真珠は伊勢産で、1本につき3グラム入っています。真珠に含まれる炭酸カルシウムが肌の美容にいいとされ、クレオパトラや楊貴妃も食していました」(同)

 この贅を尽くした逸品、製造に時間がかかりすぎるため、週に10本しか作らない。販売日は毎週木曜日のみ。概ね2週間待ちで購入できるが、最大4カ月待ちの時もあったという。

 その味は確かに普通の食パンとは違う。生クリームと卵の甘味、バニラビーンズのふくよかな香りが口中に広がる。バターやジャムなど何もつけなくても充分すぎるほど美味しい。というより、もったいなくて余計な物をつけたくない気持ちになる。風味も絶妙だが、特筆すべきはその食感だ。もっちりした生地の噛みごたえは感動的ですらある。

週刊新潮 2016年12月29日・2017年1月5日新年特大号掲載

特集「ムダに高いモノもある日本の超高級ガイド2017」より

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