買って寝かせる「希少コイン投資」 投資効果が高いコインは?

食・暮らし週刊新潮 2016年12月15日号掲載

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 実は、価値がほぼ下がらないと言われているのが、希少コインなのである。安全高利回りのうえ、為替もヘッジできるにもかかわらず、なぜか日本では投資先として考えている人は多くない。買って寝かせておくという、気の長い投資ではあるのだが……。

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日本はまだまだ希少コイン後進国(写真はイメージ)

 希少コイン投資の第一人者、石山幸二氏が解説する。

「ベストなのは、海外オークションで落札し、日本のコイン専門業者に手数料を払って、売却を依頼する方法です。海外オークションはハードルが高いように感じられるかもしれませんが、中学英語程度の語学力があれば大抵の取引は可能です。米国のヘリテージ・オークションズなどは登録も簡単で、コインの出品数も多い」

 そして、落札する際には、鑑定会社のお墨付きのあるコインを選ぶべきだという。

「米国には、PCGSとNGCという鑑定会社があり、どちらもコインのグレード分けを70段階で行う。初心者には、価値のはっきりしたコインの方が安全です。最近人気なのは、米国のシルバーイーグルという記念銀貨。造幣局から普通に手に入れれば20ドル(約2300円)のコインですが、最高グレードの70の鑑定がつくと、7000ドル(約79万円)に跳ね上がったりする。新品のコインでも鋳造過程でわずかな歪みなどが生じ、なかなか70にはならない。現代コインの場合、最高グレードの70でないとプレミアはつきません」(同)

■投資効果が高いのは

 アンティークコインの場合はどうか。

 石山氏が続ける。

「例えば、“雲上の女神”というオーストリアのコインがあります。フランツ・ヨーゼフ1世の治世60年を記念し、1908年に鋳造されました。そのうち、“プルーフ”と呼ばれる鏡面仕上げをされたものは、2年前に1万7000ドル(約200万円)でしたが、最近のオークションでは7万ドル(約800万円)の値がついていました」

 アンティークコインの場合、とりわけプルーフに人気があるという。

「希少性が高いため、数年で何倍もの値上がりが期待できます。1800年代のヨーロッパのプルーフなどは、当時の銀行家や王室関係者が止むに止まれぬ事情で手放している。世界に約150枚しか現存しないものもあり、それらには1000万円台の値段がつきます。やはり、投資効果が高いのは、200万円以上のアッパーラインのコインです。コインコレクターはほぼ富裕層ですから、同種類のコインなら最高グレードしか欲しがらない。人気のあるコインは値下がりしませんから、有効な投資法です」(同)

 現に、これまでに損をしたのは、約2000回の取引のうち2回だけだという。

『カネはアンティーク・コインにぶちこめ!』の著書がある、加治将一氏も言う。

「コインは、為替の影響を受けません。ドルが強いときには米国で、円が強いときには日本で、ユーロが強いときにはヨーロッパで売ればいい。世界中に収集家がいるため、どこでも取引ができるのがメリット。米国で毎年発表される投資番付では、アンティークコインがトップの常連。3年前のデータですが、値上がり率は1年で平均25%、10年で248%にも上ります」

 日本は、まだまだ希少コイン後進国。参入するのは、いまからでも遅くはない。

特集「株も為替もつまらない『拗ね者』のための奇抜な投資術」より