「ホテルが満室ならマンションを買えばいいじゃない」…スキーリゾート「越後湯沢」に林立する豪華マンションのいま バブルが生んだ「負動産」のはずが販売価格に変化が
1980年代のバブル景気の頃はスキーのメッカとなり、“東京都湯沢町”と言われるほど首都圏からの旅行客で賑わった新潟県湯沢町。上越新幹線の越後湯沢駅周辺にはスキー客をターゲットにしたリゾートマンションが建ち並び、東京に匹敵するほどの価格で販売され、投機目的で購入する人も多かったという。
ところが、今やリゾートマンションの大半は資産価値が下落し、“負動産”となってしまっているという。スキー客でにぎわった湯沢は今どうなっているのだろうか。田園風景のなかにマンションが建ち並ぶ、独特の景観が広がるエリアを歩いてみた。【取材・文=山内貴範】
【写真】「脳がバグる」「まるで豊洲」越後湯沢駅前の長閑な風景の中に聳える圧倒的存在感のリゾートマンション群
スキーのためにマンションを買う
筆者の友人の出版業界関係者に、湯沢にマンションを所有している人がいる。購入したのはバブル真っ只中の1987年で、当時の価格で3000万円近かったという。マンションはどうなっているのかと聞いたら、「買ってから10回くらいしか行っていないよ」「売りに出しても誰も買わないから諦めている」「固定資産税だけ払っている」のだという。
彼はスキーが得意であり、デザインや写真関連の仕事もしていたことがあって、若い頃はモテまくったそうである。女性と一緒にスキーに何度も行ったよと、バブル時代の自慢話をたくさん聞かせてくれた。ならば部屋を見せてほしいとお願いしたが、「管理が全然できていないし、ゴミの山だから」と断られてしまった。
東京駅から越後湯沢駅までは、上越新幹線に乗って最速1時間10分弱で着く。これなら十分に通勤圏内といえるが、当時の人たちがマンションを買ったのは定住のためというよりは、もっぱらレジャーのためだった。夏に登山をしたり、冬にスキーをするため“だけ”にセカンドハウスの感覚で部屋を買うのである。
当時、空前のスキーブームに沸いた湯沢では、駅周辺の宿泊施設は予約が取れないのがザラだったという。それならいっそマンションを買ったほうがいい。部屋があればいつでも湯沢に来られるし、好きなタイミングでゲレンデに向かうことができるというわけだ。現在では考えられない価値観のもと、マンションが購入された時代があったのである。
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