“最もキツい陸上競技”で世界を目指す「東大生」が語る“高い目標”との向き合い方 「勉強もスポーツも興味が湧くものを突き詰めるのが良いのでは」

スポーツ

  • ブックマーク

 多くの話題を呼んだ自国開催のアジア大会が幕を下ろし、2年後に行われるロサンゼルス五輪に向けて、ちょうど折り返し地点を迎えたが、さらなる高みを目指して、若き才能がその実力に磨きをかけている。

 今年9月に行われた日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ)の男子800メートルに出場し、自己ベストの1分47秒62で銀メダルを獲得した吉澤登吾(よしざわ・とうご)選手もその一人だ。都内屈指の難関進学校として知られる桐朋高校3年生だった2024年には、U20日本選手権の800メートルで優勝し、U20世界選手権日本代表に選出。その一方で、翌年春には東京大学理科一類の現役合格を掴み取り、高いレベルの文武両道を実現させた。10月に20歳の誕生日を迎え、さらなる高みを目指す吉澤選手に、目標との向き合い方や今後の目標を語ってもらった。【取材・文=白鳥純一】(全2回のうち第2回)

真摯に向き合う姿が身を結んだ

 2006年に吉澤家の三男として東京都で生まれた吉澤選手は、生まれ持った足の速さに気付かされた小学校4年生の時に本格的に陸上競技を始めると、そのわずか2年後には800メートルの東日本大会で1位に。また他方では独学で中学受験にも挑戦し、都内屈指の難関校として知られる桐朋中学に入学することとなる。

 在学中も陸上と向き合った吉澤選手は、中学2年で出場した全日本中学校陸上競技選手権大会(以下、全中)の800メートルで5位に。そして高校2年生だった2023年にはU18大会で優勝。さらに翌年には、U20日本選手権800メートルを大会新記録で制し、U20世界選手権日本代表にも選ばれた。また大会に向けた調整を続ける傍らで勉強にも勤しみ、東京大学理科一類に現役で合格。高いレベルの文武両道を体現した人生を歩んでいる。

「入部間もない頃は周囲から期待を寄せられ、大変な時期もあったかもしれませんが、それを乗り越えて素晴らしい成績を残されました。競技に対して真摯に向き合った姿勢が実を結びつつあることを喜ばしく思っています」

 陸上部運動部の顧問を務める工藤和俊氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)が印象をそのように話す吉澤選手は、自身の走りに向き合いつつ、高みを目指して鍛錬を続けている。

次ページ:脂肪が増えていくのがショックだった

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]