ブックオフで女性客に「ブス!」 元大蔵官僚が侮辱罪に問われた裁判、傍聴芸人・阿曽山大噴火が見た「老い」の現実

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 国指定の難病「多系統萎縮症」と診断された芸人・阿曽山大噴火(52)。足元に不安を抱えながらも、今も法廷に通っている。新刊『元大蔵官僚、「ブス!」と叫んで被告人になる』(徳間書店)では、高齢の被告人が登場する裁判を取り上げた。27年にわたり傍聴を続けてきた阿曽山に、法廷で感じてきた変化や、新著に込めた思いを聞いた。(全2回の第2回)

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「正直なことを言うと、(裁判は)見飽きました。もう十分でしょう、というのが本音です。仕事だから続けているのであって、本当はやめたいと思っています」

 傍聴を始めて27年、見てきた裁判は2万件を超える。「見飽きた」と言いながらも、阿曽山は法廷の変化を肌で感じてきた。裁判官や被告人も、昔とは違うという。

「いちばん目につくのは、裁判官の雰囲気です。昔はいかにも『裁判官』という感じの、堅物で威圧的な人がたくさんいました。被告人を一方的に叱りつけるような人も珍しくなかった。今はどちらかといえば、諭すような雰囲気の裁判官が増えた気がします。時代の流れでしょうかね」

 証拠などにも変化があった。近年目にするようになったのが、AIとのやりとりが証拠として提出されるケースだという。事件に関わった被告人が事後にAIへ相談し、その履歴が残っているのだ。

「被告人が何らかの犯罪に関与したあと、ChatGPTなどのAIに『こういう場合どうすればいいか』と相談していて、そのログが残っている。検察側がそれを証拠として提出するというパターンが、ここ最近、目につくようになってきました」

 一方で、裁判の仕組みそのものが生む問題もある。特に影響が大きいのは、2009年に始まった裁判員裁判だという。

「裁判員裁判はあらかじめ審理の日数が決まっていますから、その枠を確保するために、ほかの被告人の公判の日程がなかなか入れられないことがあります。結果として、必要以上に身柄の拘束が延びてしまうケースがある。あまり問題視されていませんが、そこは大きな問題だと思っています」

 27年の間に変わったのは、裁判官や裁判の仕組みだけではない。法廷に立つ被告人の顔ぶれも変わってきた。目立つのが高齢化。そうした被告人の裁判を紹介したのが新著『元大蔵官僚、「ブス!」と叫んで被告人になる』だ。

「20年ほど前、大正生まれの80歳の被告人がいて、『80歳の被告人ですよ』とスケッチブックに書いてネタにしていたことがあります。当時はそれが珍しかった。でも今は、80歳の被告人は珍しくありません」

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