ブックオフで女性客に「ブス!」 元大蔵官僚が侮辱罪に問われた裁判、傍聴芸人・阿曽山大噴火が見た「老い」の現実
高齢の被告人の共通点
数多くの高齢の被告人を見てきて、共通して感じることがあるという。
「みんな『背骨がある』ということです。人間は誰でも、自分の考えが正しいと思いがちです。それが年を重ねると、より頑固になる。良い悪い、正しい間違いはさておき、その人なりの筋が通っている。それが『背骨』です。ただ、本人はまっすぐ立っているつもりなのに、その立ち方が法に触れているときがある。そこに、なんとも言えないおかしみと悲しみが同時に生まれます」
タイトルにもなった元大蔵官僚の侮辱罪の裁判は、特に印象に残っているという。
現場となったのは、古書店のブックオフ。元大蔵官僚の男性は、本を探している最中、居合わせた女性客を店員と勘違いして声をかけた。ところが、女性が応対しなかったことに腹を立て、「おい、お前だよ!」と文句を言い始める。
さらに、本当の店員から相手が店員ではないと指摘されると、怒りは収まるどころか、女性に「違うなら違うって言えばいいだろ、ブス」と暴言を吐いたという。この言動が問題となり、男性は侮辱罪に問われることになった。
「『侮辱罪』は半年に一度あるかないかの珍しい罪名です。その方は法廷でもずっと怒っていて、『侮辱したことは認めるが、相手も悪い』とおっしゃり続けていた。反省しているとは言えないでしょうが、それがその人の個性であり、『背骨』です」
新刊のあとがきには、登場する被告人たちは「未来の自分の姿かもしれない」と書いた。
「高齢の被告人たちを、笑って見ていたわけではありません。この本に限らず、他人事だと思いながら傍聴したことはない。特にこの本は年を取った人が主役の話が多いですが、自分や家族に置き換えると、結構リアルですよ」
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第1回【「自分にしか読めない字」「酔っ払いの千鳥足」難病を公表した阿曽山大噴火、体に起きた異変】では、自らの難病について語っている。
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