「ウワーッ!」毎晩10時半、高級マンションに響く叫び声…バンコクに移り住んだ中2男子を追い詰めた“息苦しさ”の正体

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 バンコクのプール付き高級マンションで、毎晩のように響く叫び声。声の主は、父親の海外赴任に伴って日本から来た中学2年生だった。日本では穏やかだった少年に、何が起きたのか。駐在妻専門カウンセラーで臨床心理士・公認心理師の前川由未子さんが、家族帯同の陰にある「子どものストレス」について語る。

毎晩夜10時半、上の階から聞こえる「叫び声」

 日本人駐在員が多く暮らす、バンコク中心地の高級マンション。その一角で、近隣住民を困惑させる出来事が起きていた。

「毎晩10時半や11時頃になると、上の階の部屋から『ウワーッ!』という凄まじい叫び声や奇声、物を叩きつけるような音が聞こえてくるんです」

 そう漏らしたのは、自身もタイで駐在妻として暮らしていた前川さんの知人女性だった。同じマンションの上の階から聞こえる異様な騒音に、一体何が起こっているのかと心配を募らせていたという。

 夜の声の主は、日本の大手企業に勤める厳格な父親と、教育熱心な母親の早紀さん(仮名・40代)とともにタイへ渡航してきた中学2年生の男子生徒・翼君(仮名)だった。母親の早紀さんによると、日本にいた頃は成績も優秀で穏やかだった翼君が、タイに移って数ヶ月ほどしてから、大声を上げたり、モノを投げたり、母親に当たるようになったという。

 知人経由で状況を把握したのち、母親の早紀さんから直接相談を受けることになったという前川さん。翼君は、なぜ異国の地でここまで荒れてしまったのか。前川さんは、その背景には駐在ファミリー特有の問題があったと口にする。

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