「とても56歳に見えないイケオジ!」的なホメ言葉はいつから定着したのか…周囲に気を遣わせるだけの「オレって何歳に見える?」のキツさ
若さ至上主義社会
「こういう質問をする男性は、1人から言われたことを、まるで全員の意見であるかのように言いがち。10回年齢を女性に聞いていって、1回くらいヨイショをする人がいるかもしれないじゃない。彼らは、それがすべてかのように解釈してしまう。さらに、その時の武勇伝を私らにも「何歳と言われたんだよ」と自慢してくる。別にこちらはお金をもらっているわけでもないので、彼のことをホメる義理はないわけだし」
とにかくこの数十年間の日本社会は「若さ至上主義的な状況」にある。1980年代のプロ野球選手など、パンチパーマにサングラス、セカンドバッグを持つファッションが流行っていたせいで、20代の若者が40代に見えたりしたものである。有名な写真でいえば、広島カープの白スーツ集団が飛行機のタラップから降りてくるものがある。サングラスをかけ、左手はジャケットのポケットに入れて周囲を睥睨するような衣笠祥雄の姿はまさに迫力満点。「大人」を感じさせるものであった。
「太陽にほえろ」(1972~1986)の主演は「ボス」こと石原裕次郎だったが、ドラマ開始時は37歳だった。裕次郎は52歳で亡くなったが私の記憶の中では常に貫禄があり続け、カッコイイ存在だった。そして仰天するのが、私自身がすでに裕次郎よりも一歳年上になってしまったことだ。37歳の時の貫禄にすら達していない(私が若々しいと言いたいわけではない)。
さらには、「きんは100歳100歳、ぎんも100歳100歳。ダスキン呼ぶなら100番100番」のCM(1992年・ダスキン)で名高いきんさんぎんさん姉妹は100歳であることをウリにし、日本中から愛された。女性の結婚は早いほどいい、といった風潮はあったものの、1990年代前半までは過度に「若く見える」ことを重視する風潮はあまりなかったのでは。
その後「美魔女ブーム」が到来し「40代にはとても見えない」ことがもてはやされるようになった。男性でも郷ひろみ(70)、高見沢俊彦(72)、GACKT(53)、西川貴教(56)などが実年齢よりも若く見えると評判である。
こういった人々は「オレって何歳に見える?」なんてことは言わないだろう。この質問をしている時点で、自分の年齢を気にし過ぎの痛々しいおじさん扱いされてしまうので注意が必要だ。そんな質問はしないにこしたことはない。自分は気持ちがいいかもしれないが、周囲は辟易している。自分の実年齢に誇りを持つべし、と言いたいのである。





