【ブラッサム】「#篤郎祭り」から“渡部篤郎ロス”へ? 大吉も「毎朝、ずっと釘付け」…『ケイゾク』だけじゃない忘れられない“当たり役”
『ケイゾク』の名コンビと、傷を抱えた男
1999年の『ケイゾク』(TBS系)は、中谷美紀演じる東大卒のキャリア・柴田と、渡部演じる刑事・真山が、迷宮入りした事件に挑む作品。堤幸彦の演出とともに、二人の独特なやりとりが人気を集めた。
「男女バディものの先駆け。柴田と真山のコンビは、本当に魅力的でした。中谷さんと渡部さんの空気感がとても合っていて、今でも二人を見たいと思う気持ちはよくわかります」
気だるそうな真山と、どこかとぼけた柴田。単に頼れる刑事というだけではない真山のキャラクターを通して、渡部の魅力を、この作品で知った人も多いだろう。
翌2000年には、天童荒太の小説を原作にした『永遠の仔』(日本テレビ系)で、中谷と再び共演。幼少期に激しい虐待を受けた男女の人生を描く重い物語で、渡部は心に深い傷を抱えた男を演じた。
「『ケイゾク』に続く共演も話題でしたが、渡部さんの表現力がレベチだと注目されました。トラウマを抱えた役を見事に演じていて、改めて演技の幅を感じた作品です。激しいベッドシーンなど当時にしてもかなり攻めたドラマだったためか、いま配信などで見られないのが残念です」
恐ろしい人物だけでなく、傷ついた人物の内面も見せる。その幅広さを印象づけたのが、1995年の映画『静かな生活』だった。
色気を消した映画と“普通の男”のうまさ
大江健三郎の小説を伊丹十三が映画化した『静かな生活』で、渡部は佐伯日菜子演じる主人公・マーちゃんの兄、知的障害のあるイーヨーを演じた。この演技で第19回日本アカデミー賞の優秀主演男優賞と新人俳優賞を受賞している。
「目線の使い方や手の動きが印象的でした。渡部さんの持つ色気はどこへ消えたの?と思うほど、普段のイメージを消し去っていた。この作品がきっかけとなったか、翌年には岩井俊二監督の作品『スワロウテイル』で不愛想な殺し屋役に抜擢されましたね」
津田さんは、渡部の真価が発揮されるのは、強烈な役ばかりではないと語る。
1998年の映画『落下する夕方』では、原田知世演じるリカに「好きな人ができた」と別れを告げる健吾役。新たな恋の相手・華子(菅野美穂)がリカの家へ転がり込み、健吾もそこに引き寄せられるという奇妙な関係が描かれる。
「作品自体はゆるーい内容ですが、“優柔不断で頼りない、普通の男”の渡部さんがとてもキュートなんです。怪演が話題になりがちですが、こういう役を演じると、逆にうまさが光る俳優だと思います」
2001年の『恋がしたい恋がしたい恋がしたい』(TBS系)も、その一例。渡部は「婚約者に逃げられた女子校教師」を演じ、年齢も職業も違う男女7人の恋模様の中心に立った。
「それぞれの片思いが描かれる、ほんわかした作品でした。クセのない“普通の渡部篤郎”が見たい人におすすめです」
朝の視聴者を震え上がらせる父親から、恋に迷う頼りない普通の男まで。『ブラッサム』で渡部ワールドに引き込まれた人こそ、過去の当たり役をたどれば、さらに違う顔に出会えそうだ。
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