日本以上に「セブンイレブンだらけの国」 存在感では世界一? こんなにあって意味はあるのか、何を「売る」のか
買収ではなく「先に場所を取った」強さ
では、なぜここまで強くなったのか。先に触れた「ローソン108」は、日本のローソンと現地の「108 SHOP」との提携から生まれた。一方、タイのセブンは、既存のコンビニチェーンを次々と買収して店舗網を広げたわけではない。
タイのセブンを運営するCP ALLは、タイ最大級の財閥CPグループを母体にもつ。同グループは1988年にタイ国内でのセブンのライセンスを取得し、翌1989年に1号店を出店した。それ以降、新規出店を積み重ねながら全国へ広げてきた。
コンビニビジネスでは店舗数と同時に「店舗密度」が重要になる。
その強さの理由のひとつが、「ドミナント出店」による先行者利益だ。住宅、オフィス、学校、観光地、幹線道路など、人の生活動線上に次々と店を出すことで、物流効率が上がり、商品の回転も速くなる。認知度も高まるし、先に好条件の場所を押さえることで後続のチェーンが参入しにくい。日本でも特定のコンビニが多いと実感する地域があると思うが、タイのセブンも、この好循環を30年以上かけてつくってきた。
もちろん、巨大なCPグループの資本力があったからこそ、なし得た戦略だ。直営店に加えてフランチャイズを活用し、地方では地域事情に詳しい事業者の力も借りる。この点は、フランチャイズを中心に出店網を広げてきた日本のコンビニにも似ている。
独占的な密度を誇る店舗網から集まるデータは、「どこに出せば、どんな商品が、どれくらい売れるのか」という分析にも活用できる。さらに、弁当や惣菜、パンなどの食品製造を担うCPRAMをグループ内に持ち、同社はベーカリーブランド「Le Pan」も展開する。出店だけでなく、商品供給まで含めた強い基盤を持っているのである。
実際に食べて驚いた「その場で焼く」ホットサンド
店舗数だけではなく、日本のコンビニに比べて「人」が最後の一手間を加える商品が目立ったことも印象的だった。代表的なのがホットサンドだ。
現地の人から「セブンのホットサンドは安くて種類も多い。ぜひ食べてほしい」と勧められていた。定番のハム&チーズをはじめ種類は多く、価格は商品によって異なるが、おおむね30~40バーツ前後だ。日本円にすれば150~200円程度だろうか。レジで購入すると、その場で店員が専用のホットサンドメーカーで焼いてくれるのだ。これが想像以上においしかった。注文後に最後の一手間を加えることで、コンビニ食品が「できたて」に近づく。正直、日本のコンビニにもあってほしいと思った。屋台文化が強く、「できたて」を日常的に食べるタイだからこそ進化した部分なのかもしれない。
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