なぜ「ノーベル賞」の日本人受賞者は多いのか? ノーベル化学賞「白川英樹博士」が賛辞を惜しまなかった“先人たちの奮闘”と、“母語で学問を学べる”という恩恵
ノーベル化学賞(2000年)を受賞した白川英樹・筑波大学名誉教授が、8月24日死去した(享年90)。1967年、「電気を通すプラスチック」という当時の常識を打ち破る発明に成功。その後の電子技術やIT産業を発展させる起爆剤になった。死去を伝える報道のほとんどはこの業績の紹介に費やされている。
しかし、白川氏が70歳ごろから関心を抱いたのは、この分野の研究ではない。江戸期から明治にかけて、日本に伝来した物理、化学、医学などの先進科学を手探りで学び、専門語を一語ずつ理解して翻訳し、学問体系を作り上げてきた先人たちの血のにじむような努力に思索を深めてきた。...

