「50歳以降の女性“対策ナシ”で4割が骨折」 骨粗鬆症を遠ざける「三つの栄養素」と「取るべき食材リスト」
「骨密度と骨質で決まる」
1993年、WHO(世界保健機関)の研究班は香港で開かれた会議で「骨の強さは骨密度で決まる」と示した骨粗鬆症の定義を提唱しました。しかし現場の医師からは「骨密度だけで骨の強さを測るのには限界がある」という声が上がり、2001年には米NIH(国立衛生研究所)によって「骨の強さは骨密度と骨質で決まる」という新定義が発表されました。
ちょうどその頃、私は国立宇都宮病院(当時)の整形外科に勤務していたのですが、患者さんの中に骨密度が高いにもかかわらず骨折する人が、少なからずいました。「骨の強さは骨密度と骨質で決まる」というけれども、骨密度は測定方法があるのに対し、骨質を評価する方法はありません。骨質ってなんなのだろう……。疑問を解き明かすべく、診察以外の時間を研究に注ぎ込み、発見したのが「骨質には、体のコゲともいわれる老化物質AGEs(終末糖化産物)が関係している」「AGEsが骨に多いと、骨密度が高くても骨折を起こしやすい」「代表的なAGEsであるペントシジンの尿中・血中濃度が、骨に蓄積したAGEs量と強い相関関係にある」ということでした。
私はよく骨を鉄筋コンクリートの建物に例えて話をします。分かりやすく言うと、このようになります。
・コンクリートに相当するのがカルシウム(骨密度)
・鉄筋に相当するのがコラーゲン(骨質)
カルシウムは骨に硬さを与え、コラーゲンは骨にしなやかさを与えます。鉄筋コンクリートの建物は、硬さとしなやかさがあるからこそ、地震に耐えられますよね。骨にもそれが当てはまります。骨に存在する無数のコラーゲンは棒状で、隣り合うもの同士が強固につながり合って束になり、骨質の良い、しなやかな骨を作っています。
日本人は遺伝的に骨質が悪くなりやすい
ところが、加齢や不適切な生活習慣で活性酸素が体内に過剰発生し酸化ストレスが増加すると、棒状のコラーゲンのつながりが無秩序になり、しなやかさが失われます。さらに血糖コントロール不良、肥満、偏った食生活、飲酒、喫煙、運動不足などがあると、血液中の余分な糖分が体内のタンパク質などと結び付いてAGEs(ペントシジン)が生じ、骨質が一層悪くなります。
従って、骨密度が高くても油断禁物。日本人はただでさえ、遺伝的に酸化ストレスが高くなりやすい、つまり骨質が悪くなりやすいことが指摘されています。特に男性は、活性酸素に対抗する力が女性より弱く、酸化ストレスが高くなりやすい。やはり、骨質が悪くなりやすいのです。男性は骨密度が正常範囲の「YAM(若年成人の平均値)80%以上」であっても骨折リスクがあります。また、男性の骨折は女性と比べて生命予後が悪く、要介護リスクが24.7倍高いというデータも報告されています。繰り返しになりますが、男性も骨粗鬆症を“自分ごと”として捉えて対策を講じてください。
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