妻との間に子はいないけれど“もうひとつの家庭”の娘は小学生になった 「本妻が恋人感覚」43歳夫が気にする“不公平”

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亜希子さんとの生活は…

 一方で、亜希子さんとの生活に特に変化はない。変わらず恋人気分だし、亜希子さんを前にすると正直になりたいと思う。だからこそ、舞美さんのことを隠していることがだんだん重荷になってきているという。

「僕は心のどこかで、他に子どもがいることがたいしたことではないと思っているんですよ。でも亜希子にしたら『裏切り』になるんだろうこともわかっている。だから話してはいけない。亜希子を傷つけないために。一方で舞美は、うちの家庭のことをよく知っている。亜希子の母親が倒れて大変だったときも、しばらく行けないからと事情を説明した。亜希子は舞美のことをいっさい知らないけど、舞美はこっちの事情を把握している。なんだか不公平な気もするんですよね」

「不公平ではないのか」

 どちらが大切というわけではない。どちらも大切なのに、一方にだけ片方の情報が流れ続けている。これでいいのか、これは不公平ではないのかと祥平さんは感じているのだ。もともと公平とはいえない関係性なのだから、そこで悩むのも妙ではあるが、それが彼の偽らざる思いなのだろう。

「本籍地を変えたので、もし亜希子が僕の戸籍を見ても認知の事実はわからないと思います。そこだけは巧妙に隠しました。亜希子に嫌な思いをさせたくないんです。舞美にはけっこう厳しい生活を強いているのかなと感じることもある。恋人の舞美にわがままを言って、本来、本妻である亜希子には配慮しながら恋人でいてもらっている。そんな感じになっているんですよね」

 舞美さんも亜希子さんも精神的にも経済的にも自立した女性なのだ。もしかしたら、ふたりとも祥平さんがいなくても元気にやっていくのかもしれない。

「そうだとしたら、僕の存在価値って……」

 そう言って絶句した祥平さんだが、気を取り直したように、「まあ、そんなものかもしれませんね」と苦い笑いをこぼした。

「人は自分の存在価値をどうやって確認しているんでしょうか」

 別れたあと送られてきた彼のメールに、答える術はなかった。

 ***

 妻との家庭、もうひとつの家庭。祥平さんは、どちらにも“自分の居場所”を見いだしているのだろうか。記事前編では、実父との別れや継父との確執を経験し、「自分は居候」と感じながら育った彼の少年時代を紹介している。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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