妻との間に子はいないけれど“もうひとつの家庭”の娘は小学生になった 「本妻が恋人感覚」43歳夫が気にする“不公平”

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中学時代の同窓会で…

 そんなとき、たまたま中学生時代の同窓会があった。多忙だったのだが、それゆえに中学生のころ一緒に遊んだ友人たちと会いたくなった。

 そこで再会したのが舞美さんだ。彼が淡い恋心を抱いた女性でもある。

「会えてうれしかったですね。彼女も当時、バスケット部だったから、思い出話は尽きなかった」

 その後、ふたりで抜け出して飲みに行ったとき、彼女がバツイチだと知った。「あなたも知ってる人だよ」と言われてびっくりしたが、その日は来ていなかった同級生の山本君という人だったことにさらに驚かされたという。

「大学を卒業すると同時に結婚したけど、結婚したらダメになっちゃったと笑っていました。山本はいいやつで、僕も当時は仲がよかったんですよ。高校が別で、なんとなく疎遠になったけど。今はいい友だちだよ、今度3人で会おうよと言われました」

 そんなことがあった1週間後、今度は職場の最寄り駅でバッタリ再会した。外回りから帰ってきたら、突然の雨。急いでいたので、駅構内のコンビニで傘を買おうとしたときに声をかけられたのだ。

「舞美は、『え、偶然。たまたま仕事でこの近くに来たのよ。よかったら使って』とビニール傘を押しつけてきたんです。『いや、だって舞美だって使うだろ』と言ったら、『私は会社に帰るだけなの。会社は駅直結だから大丈夫』と」

「私、来週、転勤するのよ」

 帰宅後、気になってお礼のメッセージを送った。近いうち、メシでも食おうよと言うと、「おもしろい店に連れていってよ」という返事。

「店はボロいけど、ものすごくおいしい居酒屋があるんです。そういうところでもいいかと尋ねたら。そういうところにこそ行ってみたいと。楽しかったですね。彼女はなかなかの健啖家で、適度に飲みつつ、よく食べてよくしゃべる。また会おうよ、今度は山本も一緒にと言ったら、『いやいや、私、来週、転勤するのよ』と衝撃的な発言があって。先に言えよっていう話ですよね。彼女にはびっくりさせられてばかり」

 彼女は山陰地方に2年の予定で赴任するのだという。ひとりきりで寂しいだろ、遊びに行ってあげようかと言うと、「慣れてるもん」という返事だった。離婚後、2度ほど転勤したことがあるのだという。

「知らない街で暮らすのって嫌いじゃないのよ。街の居酒屋とか定食屋で気に入ったところを見つけて何度も通って。そうするうちにだんだん溶け込めるようになる。いい感じだなあと思ったところで、だいたい呼び戻されるんだけど、全国に友だちができて楽しい」

 彼女はそう言って笑っていた。たくましいなあ、自分はまだまだ世界が狭いのかもしれないと彼は痛感したという。

週末婚は楽しかったけれど

 転勤していった舞美さんとはその後も連絡を取り合ったが、舞美さんはすっかり現地になじんでいるようだった。祥平さんの仕事も軌道に乗り、平日はますます多忙になったが、週末の妻との時間は、この上なく平穏で楽しかった。

「金曜の夜遅くに帰って、その日はデリバリーとかとってふたりでゆっくり過ごします。土日は1泊でどこかへ出かけることもあったし、家でのんびり過ごすこともあった。共通の友人夫婦とランチをしたり、一緒にスポーツジムに行ったり。亜希子と一緒だと、常に恋愛感情がわいてくるんですよ。妻だけど恋人同士。ずっとこういう感覚でいたいと思っていました。結婚して何年たっても子どもができなかったんですが、それでもいいと思っていた。不妊治療したほうがいいのかなと亜希子が言ったことがあるんですが、別にしなくていいんじゃないのと答えたのを覚えています。ふたりでいるのが楽しかったから」

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