「はだかでベランダ」「部屋の中でもダウン」…1万件の相談を受けたプロが明かす、“片づけられない女性”の驚くべき日常
「リモコンが見つからない」家の中でダウン生活
もう一人、印象的だったのは、医療職に従事する独身女性だ。
「『夏からエアコンが止められず、冬になってもつきっぱなし。寒いので家の中でダウンを着て暮らしている』という人がいました。理由は『リモコンが見つからなくなった』というものでした」
人のためには時間を惜しまない一方、自分の生活を整えることは極端に苦手だった。仕事のストレスがたまると洋服を買い、届いた箱は開けないまま放置。やがて床は荷物に覆われ、下に何が埋まっているのか分からなくなった。そして、ついにはエアコンのリモコンが見つからなくなってしまったそうだ。
「コンセントを抜こうにも物に阻まれて届かない。結局、部屋がずっと寒いまま。疲れていても家に帰りたくないという状態になっていました」
埋もれていた「150万円」の保険証書
片づけによって人生が好転した例もある。ある経営者夫妻の家は、物で埋め尽くされていた。だが、妻が西崎さんの指導で片づけを進めたところ、思わぬ発見があった。
「ご主人が独身時代に加入していた保険の証書が出てきました。150万円の満期保険金が受け取れるもので、請求期限まであと1か月というギリギリのタイミングでした」
経済的な余裕があっても、物が溢れていれば大切な財産の管理さえままならなくなるのだ。
「私が知るなかで、片づけをして不幸になった人は一人もいません」
経営者だった夫を突然亡くし、事業を一人で背負うことになった女性のケースも忘れがたい。立派な豪邸には暮らしていたものの、室内には物が散乱していた。思春期と成人した息子を抱え、落ち着いて話し合える空間がないこともあって、親子関係までぎくしゃくしていた。女性は現実から逃れるように、仕事に没頭していたという。
「でも子どもと話し合いながら片づけを進めるうちに、ちゃんと親子で向き合えるようになった。さらに亡くなったご主人と前妻との間のお子さんも、自宅に招ける関係になったそうです。結果的に遺産相続もうまくいって、親子関係も改善。仕事もさらに順調になりました」
[2/3ページ]


