逆玉の輿生活は結婚8年で暗転 跡継ぎになるはずが…「僕は種馬だったの?」49歳夫が巻き込まれた妻の一族の“秘密”
今までとは別人のような妻
妻は出勤するようになると、めきめきと美しくなった。「疲れた」と言いながらも、生き生きしている。社内の状況などを聞いてくることもあった。もっと仕事を広げていきたい、そのためにどうすればいいかと本気で考えていた。
「このままでもいいんじゃないのと僕が言ったら、『社員がそう思っていたら、会社は発展しないわよ』と。今までの沙也佳とは別人のようでした。家庭にも仕事を持ち込み、仕事が優先となっていった」
そんな彼に声をかけてきたのは、同僚の梨紗子さんだった。以前から優しい女性だと思ってはいたが、梯子を外された彼を慰め、励ましてくれた。彼はときどき誘われるままに、梨紗子さんと食事に行ったり飲みに行ったりした。あくまで同僚としてのつきあいの範疇だったが、ある日、自宅で妻に「梨紗子とどういうつきあいなの?」と詰問された。
「同僚だけどと答えると、『なんだか怪しげにしょっちゅう会っているという報告が来てるんだけど。社内不倫はやめて』と淡々と言われたんです。妻なんだから、もうちょっと私情が入ってもいいと思うんだけど、まるで断罪するような言い方だった。『きみは僕のことをどう思ってるんだ』と思わず強い口調になりました。すると妻は、『あなたの勤務する会社の社長代理よ。来月から社長に就任するから』って。知らないうちに決まっていたみたいです」
妻と梨紗子さんとの関係は…
沙也佳さんはついでのように、「言い忘れたけど、梨紗子は私の腹違いの妹だから」とつぶやいた。優夫さんには伝えられていなかった。そんな大事なことをどうして教えてくれなかったのと尋ねると、「私には大事なことではないから」と返された。梨紗子さんが、父親の不倫の果ての子だということは家族だけの秘密だった。認知もされていないという。
優夫さんと梨紗子さんが不倫しているという話は社内を巡り、体は不自由だが意識はしっかりしてきた義父が「優夫を追い出せ」と言ったらしいとか、優夫はやめさせられるんだろうと社内中が注目しているのがわかった。悩んだ末、優夫さんは辞表を出した。
「あくまで自己都合の退職ね、と沙也佳は念を押しました。会社だけやめて沙也佳との結婚生活を続けるわけにはいかない。沙也佳に離婚届を差し出され、何も言わずに判を押しました。母に会いに行って、『おかあさん、ごめん』と頭を下げました。母だって社長が提供してくれたマンションに住んでいるわけにはいかない」
優夫さんは36歳になっていた。彼がそうっと家を出ていこうとしたとき、娘が「おとうさんどこに行くの? あたちもいく」と追ってきた。抱き上げると涙があふれた。娘はきょとんとしていた。
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