プーチン大統領の前で“聖火が消えた”、ヒトラーを驚かせた12歳の日本人少女スケーター…「冬季五輪」の仰天エピソード

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メダルに穴が開いていたことがあった

 冬季五輪なりの緩さがよく出ているのが、授与されるメダルである。例えば夏季五輪は、「金メダルは6g以上の金メッキが必須」など、材質や大きさについての規定がある。しかし、冬季五輪にはメダルに関する制約がないのである。よって、大会ごとに素材もデザインも千差万別。逆に言えば開催国の個性が発揮される場となっている。

 1998年の長野大会では、表面は七宝焼きで大会エンブレムを、裏面は蒔絵で朝日を描写。2010年のカナダ・バンクーバー五輪では、角が削られ、凹凸もなめらかな形状に。バンクーバーの海、山、雪の自然を表しているそうで、1枚1枚形が違い、全てをつなげると一枚の絵になるという世界の祭典らしい味付けもなされていた。1994年のリレハンメル大会のメダル素材は、なんと石。ノルウェーで豊富なスパラグマイトという岩石で出来ており、「ノルウェーの自然と、人々の性質を表している」とか。加えてコンセプトは「生粋のノルウェー人」。慎重で忍耐強いとされる同国の国民性を石に託したのかも知れない。

 そして穴が開いていた――言い換えればドーナツ型だったのが2006年のイタリア・トリノ五輪のメダル。穴はイタリアの広場をイメージしたというが、リボンをこの穴の中に通して首にかけるという独創的かつ機能的な逸品となっていた。

 さて、今年も同じイタリア国内での冬季五輪だが、メダルは2つの半円を組み合わせ、“絶え間ない変化を象徴する”機能美溢れるデザイン。リサイクル金属を原料とし、持続可能性(サステナビリティ)にも応じた、時代の要請にかなったものになっている……ところがこのメダル、開会直後から、「首にかけるリボンから外れてしまった」「落としたら割れてしまった」というメダリストたちの声が頻出。どうやらリサイクル金属ゆえ、思ったほど丈夫でないのがその原因のようだ。主催者側は〈深刻な損傷が確認された場合には、交換対応を行う用意がある〉としており、サステナビリティそのものにケチがついた形となっている。

 因みに、日本では東京(夏2回)、札幌、長野と五輪がおこなわれているが、1964年の東京五輪時と98年の長野五輪時で、掲揚される日の丸の大きさが違っていたことはご存じだろうか? 具体的には東京五輪時は、日の丸の大きさは全体の5分の3(60%)、長野五輪においては全体の3分の2(約66%)だった。冬季五輪は背景が主に雪と氷になるため、赤の部分が貧弱に見えないようにするための処置であった。白地の部分も、白を強くしている。雪の白さと比べられ、薄汚れたように見えないための計らいだった。

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