「ヘリでゴルフ場に着陸」「自分の原稿を読んで号泣」…84歳で死去「落合信彦」氏 ハチャメチャ伝説の真相

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普通ではない作家

「昔、担当者から聞いたところ、落合さんは自分の原稿を読み返して感動して泣いているそうです。やはり普通じゃないですよ」

 そんな「普通ではない作家・落合信彦」とは何者か。

 注目を集めたのは52年。「週刊文春」でケネディ米大統領暗殺事件の真犯人が、前大統領(当時)であるニクソンだとした『二〇三九年の真実』を発表したことだった。この真相に気づいたのは世界でも自分しかいないと主張した落合センセイは、「なぜニクソンは私を訴えないのか」と誌面で挑発を繰り返し、一躍「時の人」となった。

 その名をさらに轟かせたのが55年、週刊「プレイボーイ」に連載された『20世紀最後の真実』だ。総移動距離5万8000キロにも及ぶ世界各地の取材の果てに、南米に逃げたナチスの残党をつきとめたセンセイは、なんと世界中で目撃されているUFOというのが実は「ナチスの秘密兵器」だという驚愕の事実にたどり着くのである。

 このような「世紀のスクープ」をたて続けに報じる一方で、イスラエルの諜報機関「モサド」を舞台にしたハードボイルド小説なども精力的に発表。ネットもない時代、若者たちにとって落合センセイは、「海の向こうの広い世界」と「男の生き様」を教えてくれる「カリスマ」だった。

落合信彦伝説

 いきおい、ドラマチックなセンセイの半生にも注目が集まる。東京下町の決して裕福とはいえない家庭から、独学で英語を習得して米オルブライト大学へ進学。現地で空手教室を開き、教え子たちが後にCIAや米政府高官などになり、情報源となったという。卒業後は、ジョニーという友人と石油ビジネスを開始、エクアドルで10万バレルの油田を掘り当てるなど大成功を収めるも、作家活動に専念するため成功をあっさりと手放してしまうのだ。

 成功人生に加え、「ゴルゴ13」を彷彿とさせる謎に満ちた素顔がファンのハートを鷲掴みにした。そんな「落合信彦伝説」の代表的なものを以下に紹介しよう。

・CIAに200名の知り合いがいる。

・情報収集のためにつかう費用は年間3000万円、国際電話代は月に200万円以上かかる。

・襲撃に備え、レストランでは常に壁を背にして座る。

・車に乗り込む前は、爆弾が仕掛けられていないかチェックをする。

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