「圧勝予測連発」の「高市・自民党」に残る“2つの不安要素” これから始まる「創価学会」本格攻勢と、「躍進確実政党」の脅威とは

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秋葉原で第一声

 最大の要因は、60%前後という高水準の内閣支持率であることは、言を俟たない。政治の世界という枠を超え、高市首相の愛用する文具や鞄、サンダルまで売り上げが急増する現象が発生。大衆人気を味方につけた強みを、いかんなく発揮したということだ。

 高市首相は解散の意向を表明した1月19日の記者会見で、一国の宰相に自身を選ぶのか、それとも立憲民主党と公明党の衆院議員で結成した新党・中道改革連合の共同代表の野田佳彦、斉藤鉄夫両氏らを選ぶのかを決めてほしいと有権者に迫った。その後も、議席を増やして少数与党から脱却するための戦いだとして、安定した基盤の下で安全保障や外国人政策、経済成長政策などを実行したいと訴えている。

 東京・秋葉原で行った公示日の第一声は、高市首相と維新の吉村洋文代表が一緒に街宣車の上に立ってマイクを握った。この2人が並ぶ街頭演説は初めてだったという。高い支持をキープしてきた政治家をセットで全国に映し出すという、イメージ戦略を含めた演出の入念さをうかがわせた。

 高市首相を前面に出し、若い世代や無党派層に食い込みを図るという狙いが、前半段階までは的中したわけである。

 実は従来、自民党は無党派層での支持獲得に苦戦し、野党の後塵を拝することが多かった。ところが朝日新聞の今回の調査では、無党派層でも、比例区の投票先は自民党が最多の35%を占め、2位の19%の中道改革連合に差をつけた。JNNの序盤情勢調査でも、無党派層で自民党が1位になったとしている。

 また、公示日直前に行った共同通信第1回トレンド調査によると、比例代表の投票先で若年層(30代以下)において、自民党が24.5%だったのに対し、中道改革連合は1.0%となった。

 無党派、若者層への浸透は、高市氏の人気に加え、党などによるインターネットのSNSを駆使した戦術もかなり寄与していると推測できる。

 自民、公明両党の連立政権時代は、低投票率の下で、組織票を固めて逃げ切るのが与党の典型的な勝ちパターンの一つだった。まさに、180度の転換と言っていい。自民党は手ごたえを感じており、とにかく高市政権を安定させた上で継続させてほしいという主張を続行する構えだ。

公明党支持者の動向

 では、2月8日の投票日まで、順風をキープしたまま逃げ切れるのか。それでも課題は残ると言っていい。高市圧勝予測が出る一方、好事魔多しという言葉のように、勢いに水を差すボトルネックがあるとすれば何なのかを洞察したい。

 真っ先に挙げるべきは、衆院議員が中道改革連合に参画した公明党の支持者の動向である。中道結党の最大の主眼は、強固な組織力を誇る公明の票を、小選挙区から立候補した中道候補に上積みすることだった。

 公明票は1小選挙区当たり1~2万票と言われる。およそ四半世紀にわたり、公明票は連立政権を組んできた自民候補に投じられ、小選挙区での自民候補が旧民主党系候補に競り勝つ原動力となってきた。

 それを今度は中道候補に積み替えるのだから、自民党にとって脅威であることは間違いない。「激戦区、接戦区においては少なからず影響はある」(小野寺五典・自民党前政調会長)というわけだ。特に公明党の支持が比較的厚い都市部の候補者には、より重い課題だと言える。

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