浮世絵界のスーパースター、葛飾北斎。しかし、その娘である応為もまた天才絵師だったことをご存じだろうか。応為とは北斎の三女・お栄のこと。北斎に「美人画ではかなわない」と言わせたほどの腕前で、北斎作とされている美人画の中には応為が手掛けたものがかなりあるのではないかと言われている。昨年、杉浦日向子原作の「百日紅」がアニメ化され、声優を務めた女優の杏が役にのめり込んだことでも話題になった。現存する作品が少ないこともあり、今や応為の作品は展覧会の目玉とされるほど、美術ファンの間で人気上昇中だ。...
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元植民地が日本びいきなワケ 「あの頃はモラルがあった……」
■貨幣経済をもたらした
前回の記事では、『日本を愛した植民地』(荒井利子・著)をもとに戦前、日本の委任統治領だったパラオの人たちが、戦後も日本に好意を持ってくれていることをお伝えした。
なぜ彼らは今でも日本時代を懐かしむのか。同書では数多くの島民の生の声を紹介している(以下、引用は『日本を愛した植民地』より)
たとえば1925年生まれのパラオ人、フジオさん(仮名)はこう語っている。
「日本時代が良かったっていうのは、まあ金もあったし、自由で、品物はたくさんありましたから。...
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