「貧乏ゆすり」はした方がいい? 推定患者最大で500万人超の「股関節痛」 日常生活でやってはいけないコトとは

ドクター新潮 ライフ

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日常的にダメージを受けている股関節

 こんなシンプルな体操で、股関節痛が軽減するのか、不思議に思われる人がいても当然です。しかし、この体操で股関節の軟骨や骨の再形成が促されることは画像検査で確認しており、そればかりか、手術すら困難な変形性股関節症がジグリングで著しく改善した2例については論文も発表しています。

 なぜこの体操を私が推すのか。これから分かりやすく説明していきましょう。

 歩く、走る、立ち上がる、しゃがむといった動作すべての要となるのが、股関節です。股関節は骨盤と太ももの骨をつなげる関節です。骨盤にはお椀のように凹んだ部分があり、太ももの骨の先はボールのような形をしています。お椀部分を「寛骨臼(かんこつきゅう)」、ボール部分を「大腿骨頭(だいたいこっとう)」と言います。お椀にボールがはまり込むことで、足が前後左右に動き、ぐるりと回すこともできるのです。寛骨臼と大腿骨頭の接続部はそれぞれクッションのような軟骨で覆われ、骨同士が直接ぶつからないようになっています。

 股関節は常時、上半身の重みを受け止めている部位でもあります。両足で立っているだけでも左右それぞれ体重の0.6~1倍の重みがかかっています。片足立ちになると体重の3~4倍。歩くときは体重の3~4.5倍、走ると体重の4~5倍、階段の上り下りで体重の6~8倍。普通に日々を送っているだけでも、股関節は頑張って重さに耐え続けているわけで、生活の仕方、または肥満、激しいスポーツなどで、股関節はかなりのダメージを受けてしまいます。

 股関節が受けるダメージは、「股関節の軟骨のすり減り」という形で現れます。クッション的存在の軟骨がすり減っていくと、骨同士が直接ぶつかり合うようになって、やがて変形が進行していく。この状態を変形性股関節症と言います。

症状の10段階

 軟骨がすり減り骨が変形していくと、股関節の周りに炎症が起こり痛みが生じます。股関節痛の原因は変形性股関節症に限ったことではありませんが、股関節に違和感や痛みがある場合、中高年女性であれば9割以上、全体でも約8割が変形性股関節症といわれています。

 変形性股関節症の典型的な症状は次の通りです。番号の数字が大きくなるにつれ、軟骨のすり減りが進行していると考えてください。

(1)歩いているときに、股関節に引っかかるような違和感を覚える。

(2)立ち上がりや歩き始めに股関節が痛む。

(3)長時間歩くと、足の付け根に痛みを感じる。

(4)椅子に座っているときに股関節に痛みがある。

(5)階段を上り下りするとき、手すりが必要。

(6)床や畳から立ち上がるとき、つかまるものが必要。

(7)しゃがむのがつらい。和式トイレの使用が困難。

(8)靴下を履いたり、足の爪を切ったりという動作が困難。

(9)安静にしていても股関節が痛む。寝ているときにも痛むので熟睡できない。

(10)歩行が困難。

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