「摂氏120度のサウナに閉じ込められる」極限状態からの脱出劇を描いた映画に注目が 悲劇を繰り返さないために何が必要なのか
外れたガス管からは
すると、鉄格子で覆われているサウナストーンごとサウナストーブをイアンが押し倒した際に、ガスホースがはずれ、サウナストーブ内で燃焼していた火気がガスに引火して爆発が起きる。イアンは吹き飛ばされて、絶命してしまう。
ジェネは、ガス爆発の衝撃でドアが開いたという妄想を抱くが、それはガス中毒の影響だった。実際には吹き飛ばされて気絶していたのだ。イアンのタックルのおかげでサウナストーブの燃焼は止まったが、外れたガス管からはガスが漏れ続ける。
息絶え絶えになりながらもジェネは、意識のないレナをドア窓に近づけて外気を吸わせるとともに、最後の力を振り絞ってガス管からのガス流出を止めたところで力尽きる。
ここでウェイドがようやくロッジに戻ってくる。破壊されたサウナのドアの小窓から覗くと、レネの青い顔が見えて驚愕する。通報を受けた救急車が駆けつける中、マイケルは頭を抱え泣き崩れる。救急車で運ばれるレネとジェナの手がかすかに動く。二人はかろうじて生きていたのだ。こうして映画は幕を閉じる。
サウナの特殊性
この映画「247℉」、実話を基にしたと謳われている。ジョージアで実際に起きた事件では3人とも生き残り、10時間後に救出されたとのこと。密室と化したサウナに閉じ込められる恐怖と脱出の試みを正面から描いたこの作品、サウナ愛好者が一度見たら忘れられないインパクトを残す。現在の日本で配信しているサブスクリプションサービスは見当たらないが、DVD(発売:アース・スター エンターテイメント)を入手するかレンタルすれば鑑賞できる。
エレベーターのように、閉じ込められたら怖い空間は他にもあるが、サウナの特殊性は「熱源」を稼働させているところだ。とくに大勢の利用者が出入りする大型サウナと異なり、プライベート型の個室サウナは万が一閉じ込められた場合、発見が遅くなり、高体温症等にかかるリスクが高い。
今回の赤坂の事件を受けて、物理的にドアやガラスを突き破るために、「斧」をサウナ室内に常置しておくといいのではないかという意見も出た。確かにドアの建て付けが歪んだ際に、ドアを物理的に破壊するための斧を常置する場合もある。しかし、斧の扱いに慣れている人が多いとは言えない日本社会に馴染むとは限らず、対人凶器になる危険性も否定できない。
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