ダイエット効果に美肌作用も… 「梅干し」の知られざるポテンシャル

ドクター新潮 ライフ

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 おにぎりは日本人にとって欠かせないファストフードであり、また行楽にはお弁当が付き物である。そして、その具やおかずの定番中の定番といえば梅干しだ。実はこの小さな粒、驚くべき健康・美容効果を秘めているという。我らのソウルフード、梅干しの研究。【宇都宮洋才/大阪河崎リハビリテーション大学教授】

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 海外ではフルーツとして扱われている食材、より正確にはほぼフルーツとして“のみ”食されているものが、日本では代表的な「ごはんのお供」として親しまれています。そして、それは実に多くの健康効果を持った食材でもあります。直径はほんの数センチと小さいながら、偉大なスーパーフード――梅を塩漬けにして干した梅干しは、日本が誇る健康食品です。

〈こう説くのは、医学博士で大阪河崎リハビリテーション大学教授の宇都宮洋才(ひろとし)氏だ。

 日々の食卓を彩るとともに、おにぎりの具や日の丸弁当、幕の内弁当など、行楽のマストアイテムとしても愛されてきた梅干し。たしかに日本人のソウルフードではあるものの、その塩っ辛さから、あまり食べ過ぎると身体によくないのではないか、そんなイメージを持っている人もいるかもしれない。しかし、意外な真実が……。

「梅の本場」である和歌山県の県立医科大学などで20年以上にわたり梅の研究を続けてきた、「梅干し博士」として知られる宇都宮氏が続ける。〉

「塩分過多」の印象があるが……」

 しょっぱい上にすっぱくて、塩分の塊(かたまり)であり、高血圧のもと。漬物のひとつである梅干しには、「塩分過多」の印象がついて回りがちです。かく言う私も、実は昔は梅干しが大嫌いでした。

 大分県の田舎の農村で育った私は子どもの頃、運動会や遠足のお弁当の中に母親が作った自家製梅干しのおにぎりがあると、こっそりと梅干しを捨てて食べていました。なにしろ、しょっぱくて、すっぱくて、おまけにまずい。捨てたことがバレると、母親に「梅干しは健康にいいんだよ!」と叱られ、よくゲンコツをもらったものです。しかし、しょっぱいものはしょっぱいのですから、どうにも食べる気が起きませんでした。

 そんな私が、和歌山県の大学に赴任したのを機に、梅干しについての研究をし続けているのですから不思議なものです。そしていま、私は学者・研究者として、母親の小言が正しかったことを実感しています。なにも私の母親に限った話ではなく、日本人は梅干しが健康食品であることを、長い歴史の中で経験上分かり、伝承してきたのです。

〈梅はその日の難逃れ〉

〈一日一粒の梅干しで医者いらず〉

〈梅は三毒を絶つ〉

 日本にはこうした言い伝えがありますが、私は現在、それらを科学的・医学的に裏付ける研究を行い、先人たちの知恵のすごさに舌を巻く日々を送っていると言えます。研究をすればするほど言い伝え通りで、梅干しが超の付く健康食品であることが証明されていくのです。

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