小学生が起こした自転車事故で母親に「9520万円の賠償命令」も…自転車「交通違反」の取り締まり強化に“不安の声”

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自転車事故で9520万円の損害賠償

 2026年9月に予定されている改正道路交通法施行令の施行についても「車道左側を走る自転車をクルマが追い抜く際の規定間隔は1メートルから1・5メートル」と定められているが、狭い道路はどうしたらいいのだろうか。

 他にも「生活道路の法定速度も30キロに引き下げられる予定だが、これは不便ではないのか」、「自転車の専用道路がもっと必要ではないのか」という議論がSNSでは活発だ。

 こういった状況に対して人手不足問題を抱える警察だけでなく自治体等もどのような動きを見せていくのだろうか?

 警察関係者は「2008年に小学生が起こした自転車事故に対し、神戸地裁は母親に約9520万円の賠償を命じる判決を下しました」と言う。

「他にも様々な費用が課されるため、実際に背負う金額は1億円以上でしょう。事故の被害者はもちろんですが加害者となった未成年の少年やお母さんも大変な思いをしたと思います。まさに被害者も加害者も家族がバラバラに散ってしまうような重い事故がもう自転車レベルで起きる時代になりました。警察は慢性的な人手不足でありますが、とにかく頭数さえ増やせばいいということではなく、こうした事故をなくすことに情熱を傾けられる警察官が増えていくかどうかが重要だと思います」

国民の意識改革は必要

 個々の警察官が質の向上を求められているということだろう。

 自動車がハイブリッドやEVへと機械的な進化を遂げるだけでなく、法改正を伴って道路上に於けるクルマ・自転車・人の流れそのものにも変化の時代が訪れている。それを単なる変化に止めるだけでなく社会の発展に結びつけていくためには私たち国民一人ひとりの意識改革がもっと必要になってくるのかもしれない。

 第1回【スマホを見ながら自転車を運転で「反則金1万2000円」…2026年4月から“青切符”スタートで“駐車違反”にも反則金が課されることに】では、2026年4月から自転車の交通違反に罰金が科されるが、放置自転車のルールは自治体ごとに違うという“盲点”などについて詳細に報じている──。

藤原良(ふじわら・りょう)
作家・ノンフィクションライター。週刊誌や月刊誌などで、マンガ原作やアウトロー記事を多数執筆。万物斉同の精神で取材や執筆にあたり、主にアウトロー分野のライターとして定評がある。2020年に『山口組対山口組』(太田出版)を、25年9月には『闇バイトの歴史 「名前のない犯罪」の系譜』(同)を上梓。

デイリー新潮編集部

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