小学生が起こした自転車事故で母親に「9520万円の賠償命令」も…自転車「交通違反」の取り締まり強化に“不安の声”
第1回【スマホを見ながら自転車を運転で「反則金1万2000円」…2026年4月から“青切符”スタートで“駐車違反”にも反則金が課されることに】からの続き──。2026年4月1日から自転車の交通違反にも罰金が科される。自転車乗車中の携帯電話使用(ながら運転)が1万2000円と最も高額で、他にも9000円、7000円、6000円、3000円と幅広いラインナップだ。【藤原良/作家・ノンフィクションライター】(全2回の第2回)
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【写真】信号無視「6000円」、右側通行「6000円」など青切符によって検挙される違反の具体例をご紹介
問題は放置自転車、つまり自転車の“駐禁”だ。各自治体の条例による放置禁止区域の解釈と法律による駐停車違反の解釈はそもそも別物なので自治体と警察とはそれぞれ異なった判断で取り締まりを行うという意見もある。
だが、そうすれば必ず条例と法律との間で軋轢が生じ、結局は市民が自治体と警察との板挟みに遭うかたらい回しにされるだけだ。
放置自転車の見回りや撤去を行うスタッフから話を聞くと「自治体によって放置自転車の扱いが違います」と言う。
「タイヤの一部分が1センチでも私有地に接輪していたら放置自転車にはならないという自治体もあります。同じ場所でもほんのちょっとの差、僅か1センチの差でこっちの自転車は放置自転車ではないと認定され、そっちの自転車は放置自転車となって撤去です。撤去された人は引き取り料を払うしかないでしょ。どっちも同じ禁止区域内に置かれた自転車なんですけどね」
スタッフは「自治体ごとのルールは撤廃し、全国共通のルールに変える必要があると思います」と言う。
「ここに置いたら分け隔てなく撤去にしましょう、全国で同じルールにしましょう、と現場からの要望は上に伝えていて、働きかけも毎年のように行われているみたいです。ところが、なぜか行政のほうは足並みが揃わないそうです」
人手不足の警察
こんな状況で、今回の道交法改正がどこまで“駐禁”を取り締まれるのか、疑問と言わざるを得ない。
そもそも放置自転車の見回り撤去だけでなく、2006年から自動車の違法駐車対策でも警察は民間業者に業務の一部を委託している。
誰もが一度は道路上で見たことがある緑色の制服を着た駐車監視員たちが業務に従事している。慢性化した人手不足の解消と警察力の効率的な運用を目指して委託が始まったわけだが、警察の人手不足は日本そのものの少子高齢化もあって2026年になっても解消されてはいない。
そんな中、今回の法改正によって自転車交通違反の青色切符が113種類も増えた。要するに全国の警察官の仕事量がその分だけ広範囲的に増えたわけだが人員は足りているのだろうか?
以前から防犯カメラやAIを活用した取り締まり方法についての検討が積み重ねられてはいるが、技術的にまだ時期尚早な雰囲気しかない。
自転車だけでなく道路上での変化は他にもある。2025年11月からの第4次排ガス規制による新基準原付が導入されると、「原付の免許でも125ccのバイクに乗れるし、二人乗りもできる」という間違った解釈が流布した。
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