スマホを見ながら自転車を運転で「反則金1万2000円」…2026年4月から“青切符”スタートで“駐車違反”にも反則金が課されることに
2026年4月1日から危険運転などを抑止し、安全な自転車利用を目的とする道路交通法の改正が予定されており、自転車の交通違反にも交通反則通告制度、いわゆる“青色切符”が適用されようとしている。いまだに自転車が軽車両に含まれていることすら知らない人も多い中、法改正のインパクトだけが拡散されて、やや混乱気味なことが否めない昨今だ。【藤原良/作家・ノンフィクションライター】(全2回の第1回)
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【写真】信号無視「6000円」、右側通行「6000円」など青切符によって検挙される違反の具体例をご紹介
だが、道交法改正については当局の説明不足だけでなく私たち国民一人ひとりの勉強不足もある。
そもそも戦後の1947年には前身となる道路交通取締法がすでにあり、その後、日本の道路配備や車社会が本格化していく過程で交通違反や交通事故死者数が激増。「交通戦争」が深刻な社会問題と化した1960年に、改めて施行された統一法規が道路交通法である。
この時点で自転車は「軽車両」に分類され、左側通行、歩道通行の禁止、信号無視の禁止、二人乗りや並走の制限、無灯火や危険運転等の安全運転義務違反といった規定がもうすでに設けられていた。
それ以降、道交法は数年ごとに明文化や改正が繰り返し行われ、2000年代中盤には自転車の飲酒運転禁止や罰則強化、自転車運転者講習制度(違反3回で受講義務)が導入された。2020年代以降は電動アシスト自転車の安全規制も盛り込まれ、防犯カメラやAIによる取り締まり等について現在でも検討が続いている。
要するに自転車に関する法整備の歴史は長く、今回の改正まで数えてもすでに65年以上になる。しかし、その認知度は極めて低かったというのがこれまでの日本社会の現実であった。
自転車運転での違反行為はマナー違反程度でしかなく、まさか交通違反として罰則もあれば前科まで付くレベルだったのかと今になって面食らう人も多い。
自転車でも罰金がスタート
警察や自治体などの協力の下、自転車安全運転教室や安全運転講習会も定期的に開催されてはきた。
だが、いつの間にか一部市民による「自転車は守られて当然の立場」「事故を起こしても常に無過失」という短絡的な勘違いも広まったせいで、自転車側が一時停止や優先道路無視や逆走などをしたことで発生した交通事故は、対自動車であっても自転車側の過失責任が大きくなることすら知らない人も多い。
またこれまでは、警察が取り締まりをする際に、即罰則(赤色切符)や即検挙よりも注意・指導・警告に重きを置いてきたことから、自転車運転の違反をしても本人が肌身に感じる機会が少なく、どうしても「自転車だから謝れば許してもらえる」くらいの認識しか育まれてこなかった。
そして、自動車事故の割合率よりも自転車による交通事故の全国割合率の方が増加した。2024年度の自転車交通事故での全国検挙数は5万件以上にものぼっている。こうして「令和の交通戦争の主役」になりつつある自転車交通事故を抑止して防ぐためにも、また新たな法改正が施される運びとなった。
反則金を納付しなければならない青色切符(交通反則納付書)の導入によって、これまでよりも注意や警告の領域が狭まるようになったわけだ。
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