「塾代いくらかかってると思ってるの」――教育虐待の現場で見た、中学受験で子供を壊す親の“3つの言葉”

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比較、親の努力アピール、退路を断つ…子供を傷つける「三つの言葉」

 本作の取材で知り合った医師やフリースクールの職員の話をまとめれば、子供を傷つける親の言葉は大きく三つに分けられるという。

・子供を他者と比較する暴言

「~~ちゃんを見習って同じくらいやってみたら?」

「なんでお兄ちゃんやお姉ちゃんにできて、あなたにできないの?」

 追い込み期には、子供は必死になって勉強をしているし、ライバルのことも嫌というほど意識している。

 親にしてみれば、他の子と比べて足りないことがあると感じるので、それを材料に子供に奮起を促しているつもりなのだろう。

 しかし、当の子供にしてみれば今が限界なのだ。にもかかわらず、親が他の子と比較して、「努力が足りない」「能力が低い」といった趣旨の言葉をかければ、子供の中で何かが切れてしまうのはやむを得ないことだ。

 人によって伸びる時期もスピードも異なる。他人と比べるのではなく、「これ解けるようになってるじゃん。すごいね」など、子供の成長を軸にした声かけをするようにしたい。

・親側の努力を示す言葉

「家族全員が、あなたの受験のためにたくさんの我慢をしているのよ」

「塾代がいくらかかっているのかわかっているのか」

 都内で中学受験をすれば、年間の塾代だけで100万円を優に超えるし、家族みんなが数年にわたって子供の勉強に伴走しなければならない。

 親がそのことを持ち出したくなる気持ちはわかる。だが、子供たちの中には自分の意志ではなく、親に「受験した方が得」「後が楽」「環境が良い」と勧められてやっているのに、いきなり我慢してるだの金がかかるだの言われるのは不本意だろう。

 この言葉によって、子供たちが余計な罪悪感を膨らませたり、反感を抱いたりすることがあるのだ。

・退路を断つ言葉

「今のままじゃ絶対に無理だよ」

「これまでの努力が水の泡になっちゃうよ」

 追い込み期になれば、模試の判定はかなり正確になる。子供たち自身も、置かれている状況を十分わかっている。

 一方で、だからこそ厳しい現状を見ないようにして、必死に努力をしようとしている面もある。

 そんな時に、親からそれを明確な言葉で言語化されたらどうか。時期によっては、あえて言語化するのを避けた方がいいこともあるのだ。

 親は厳しい現実を突きつけることで発破をかけるのではなく、「今だからこういうやり方もあるんじゃない?」「最後まで努力することに絶対に意味があるから」など別の方法や意味を示してあげるべきだ。

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