「原稿料は川口松太郎の10分の1」――五木寛之が振り返る“昭和文壇の舞台裏”
【全5回の第5回】
「原稿料は川口松太郎の10分の1」――そんな言葉に、昭和文壇の空気がにじむ。
昭和7年生まれの作家・五木寛之さんは、戦前・戦中・戦後を通して「昭和百年」の大半を生き抜いてきた人物だ。
そんな五木さんが語る昭和の記憶には、“人と人との距離”や“紙とペンの手ざわり”が息づいている。
第1回直木賞を受賞した川口松太郎は、昭和を代表する人気作家のひとり。“文壇の格差”と“編集者との距離”をめぐって、五木さんが振り返るのは、原稿用紙と電話が主役だった時代の舞台裏。...

