「先生となら娘を結婚させてもいい」と迫られて 東大生の家庭教師が担当替えを願い出ることも…知られざる“家庭教師あるある”
子どもより大きな「親」という真の客
このように、“学生”が“生徒”に教えるのには何かと苦労が多い家庭教師だが、今回話を聞いた経験者のなかには、「家庭教師をするうえで最も難しいと感じるのは、子どもへの指導の仕方ではない」と話す人が少なくなかった。
「もっとも難しいと感じること。それは『親御さんとのコミュニケーション』ですね」
生徒の家には必ずと言っていいほど親、または保護者がいる。経験者からは「子どもの相性や指導よりも、親といかに建設的かつ現実的な話ができるかが重要」という声が多く挙がるのだが、これがなかなか難しいという。
「家庭教師を付けたからこれでもう大丈夫、と思っている親御さんがいる。高校3年生の秋に高1レベルから学び直して有名大学を目指すのはかなり難しいと思うが、親御さんには受験経験がないようで、いくら説明してもなかなか分かってもらえない」
なかには、とんでもないことを言い出す親もいる。ある男性の家庭教師経験者はこう話す。
「学生(東大)時代、いくつか家庭教師のアルバイトを掛け持ちしていましたが、高校2年生の女子高生を受け持つことになった際、親御さんから『娘と付き合ってもいい』、『先生となら娘を結婚させられる』と言われて戸惑いました。冗談だとは思いますが、それを隣で本人が聞いていたので気まずくなり、担当から降りたことがあります」
また最近では、外国人の自宅に家庭教師に行くケースも少なくないようで、SNSには、
「自分はある国出身のご家庭の家庭教師に行くことが多い。その国にはネットワークがあり、一度ご縁を持つと何年も紹介が途切れない」
という声も。が、外国の教育文化は、日本にあった「ゆとり教育」的感覚を持ち合わせていないところが多いようで、
「『ナンバーワンにならなくてもいい。元々特別なオンリーワン』と考えているのは日本だけ。自分が教えている生徒の国では有り得ない発想」
という書き込みもあった。
外国人生徒を受け持ったことがある別の家庭教師経験者もこう話す。
「日本の教育方法から見るとアグレッシブでも、親御さんの教育方針を最優先に指導するようにしていました。そのため、問題を解くまでの時間制限は短め、宿題も他の日本人の生徒の3倍ほど多く出していましたね。お子さんには『無理しなくていい』とは伝えましたが」
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