「進行すると膝に水がたまり…」 2400万人が悩む「変形性膝関節症」を自分で治す方法

ドクター新潮 ライフ

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まずは「発症」チェック

 ここまで説明したところで、変形性膝関節症を発症しているかどうか、自分で調べる方法を説明しましょう。とても簡単ですから、まだ大丈夫と思っている方でもやってみましょう。

 まず、椅子に浅く座って両膝を伸ばしてみます。健康な膝であれば、膝小僧のあたりに横皺ができます。しかし、滑膜炎が起きて水(滑液)がたまっていたり、膝蓋下脂肪体が腫れていると、皺が消えていることがあります。左右の膝を見比べるのもいい。どちらかの皺が消えていたら、炎症を起こしている可能性があります。

 次に、まっすぐ立って膝に手を当てながらゆっくり曲げ伸ばしをしてみましょう。膝全体に痛みを感じるようだったら滑膜炎の可能性があります。また膝皿の下側が痛い場合は、膝蓋下脂肪体に異変が起きているかもしれません。

 他にも「膝皿」の下にある柔らかい部分を押してみるのもいい。痛かったり両側が盛り上がらないと、膝蓋下脂肪体が硬化している可能性があります。最後のセルフチェックはもっと簡単です。床に座って脚をしっかり伸ばしてみましょう。膝の裏側もぴったりと床に着いていますか? 手のひらが通ってしまうほど大きな隙間ができていたら変形性膝関節症になっている可能性があります。

足ぶらぶら15秒体操

 ここまでのセルフチェックはいかがでしょうか。でも、心当たりがあったとしても慌てる必要はありません。私が考案した「足ぶらぶら15秒」体操で、痛みはずいぶん解消するはずです。さらに、3種類の「膝皿ストレッチ」で、痛みそのものの原因を改善できるのです。

 まず「足ぶらぶら15秒」からやってみましょう。先ほど変形性膝関節症の特徴は「動き出し」が痛いことだとお伝えしました。スターティングペインです。動かすたびに痛くなるのは、軟骨のすり減りが止まらず、炎症が繰り返されることに原因があります。それによって膝皿の周辺が硬くなってしまう。これを解消するには、硬くなっている膝まわりをほぐしてやるのがいいのです。

 最初に椅子に座ってください。そのまま痛いと感じた足を少し持ち上げ左右にブラブラさせましょう。時間は15秒間です。両膝とも痛いのなら、両方やってください。次に立ち上がって歩いてみる。まだ痛いようだったら、もう少し長めにブラブラさせてください。長めにやったとしても膝が悪くなることはありません。

次ページ:3種類の「膝皿ストレッチ」

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