犯罪者が狙う家の「二つの特徴」とは 「高齢者のフェイスブックは、犯罪者にとって“宝の山”」

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玄関先をライトで照らすのは有効に思えるが……

 徹底した情報管理という上流の対策に続き、自宅の周りの守りを固める下流の対策について説明したいと思います。

 例えば、玄関先や門扉を一晩中ライトで明るく照らすことは、一見、有効な防犯対策に映るかもしれません。しかし……。

 ここで改めて、犯罪は「入りやすく見えにくい場所」で行われるため、「入りにくく見えやすい場所」にするのが防犯の原則であることを思い出してください。実は一晩中照り続ける明かりは、犯罪者にとっての「入りやすさ」にもなります。真っ暗な中では、侵入も作業もしにくいからです。かといって、一切照明をつけず、夜中ずっと暗いと犯行の「見えにくさ」を生んでしまう。

 そこでお薦めなのが人感センサーです。人の気配を察知すると照明がつくという「明」と「暗」の切り替えは、犯罪者をドキッとさせ、「見られている」という印象を与えられる上に、近所の人にも「誰か来た」と気付かせる効果があります。人は惰性に慣らされやすい一方、「変化」には敏感だからです。同じ理由から、門と玄関、窓の間などに砂利を敷くのも「音の変化」による防犯効果が期待できます。

 また、塀や植木は自宅を守ってくれるものと考えがちですが、あまり高さがあると、その向こう側(自宅の敷地内)で犯罪が行われても外から「見えにくい」。そのため、高さは150センチ以下に抑えるべきです。

 玄関の鍵は鎌デッドボルトがお薦めです(イラスト参照)。ドアの穴に差し込まれる閂(かんぬき)の部分にさらに鎌型のパーツが付されたもので、こじ開けにくくなります。昔の“犯罪のプロ”と違い、現代のトクリュウの実行犯などは“素人”であることが多い。そのため鍵開けのテクニックを持っているわけではなく、荒っぽく強引に鍵をこじ開けようとします。それに対して鎌デッドボルトが有効なのです。単純に、鍵を破られるまでの時間が稼げるからです。

 ですから、仮に鍵の数を増やすのであれば、「下」ではなく「上」につけてください。足元より頭上などにある鍵のほうが力を入れにくい、つまりこじ開けるのに手間取るため、やはり鍵を破られるまでの時間を稼げます。心理的にも、かがむのと背伸びするのとでは、目撃される恐怖心が違います。

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