犯罪者が狙う家の「二つの特徴」とは 「高齢者のフェイスブックは、犯罪者にとって“宝の山”」
Facebookは“宝の山”
具体的に見ていきましょう。まずは上流の対策について。
例えば、目に入れても痛くないほどかわいいお孫さんの小学校の入学式で、満開の桜の下、ツーショット写真を撮る。そしてその写真をFacebookにアップし、友だちに見てもらう――なんともほほ笑ましい光景です。しかし、この幸福にしてのどかな行為が、実は犯罪を呼び寄せかねないのです。
お孫さんが入学したのが私立の小学校だとします。Facebookにアップされた写真に映る制服や校門でそれは分かってしまいます。こうした点を犯罪者は見逃さず、この家庭は金銭的に余裕のある一家だと狙いをつける。「まさか、そんなことで」と思うかもしれませんが、現代の犯罪者はSNS上のささいな情報からターゲットを絞るのです。
若者のFacebook離れが進み、主に高齢者たちの交流の場になっていると指摘されています。犯罪者にとってFacebookは、「金を持っていて、体力が弱り、狙いやすい年寄り」を物色するための宝の山に見えているはずです。
危険な「ハワイなう」
SNSのリテラシーが高くない高齢者は、何気なくお孫さんの入学式の写真をアップし、後日無邪気に「ハワイなう」なんて書き込んでしまう。これでは、「孫を私立に通わせている上に、いままさに家を不在にしている」、すなわち空き巣に入ってくれとアピールしているに等しいとすらいえます。
従って、うかつに自らの経済状況や居場所が分かる情報をSNSに書き込まないことが上流の対策の基本になります。犯罪者の「ターゲット・リスト」に入れられてしまう危険のある情報は、徹底的に管理する必要があるのです。Facebookなどで“獲物”をあさり、いざターゲットが決まったら、現地に足を運ぶまでもなくグーグルマップで下見終了。ネット全盛時代の現代社会は、われわれにとって便利なだけでなく、犯罪者にとっても実に好都合な環境であることを肝に銘じておいてください。
ちなみに、不在をカモフラージュするために、洗濯物を干して在宅を装うという手は広く知られており、かなり有効だと思います。ただし、気を付けてほしいのが天気です。近年、ゲリラ豪雨が増えていますが、滝のような雨が降っているのに洗濯物が干しっぱなしだと、不在にしていることが一目瞭然になってしまいます。
また上流の対策としては、固定電話に自動音声で電話をかけ、新聞社などを名乗り、アンケート名目で質問に答えさせ個人情報を引き出そうとする犯罪者もいるのでこの点にも要注意です。いまどき固定電話でアンケートをとろうとすること自体が怪しいので、「電話によるアンケートには答えない」を基本姿勢にすべきでしょう。そもそも、非通知や知らない番号からの電話には出ないに越したことはありません。
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