母の介護は妻まかせで「プラトニック不倫」に酔ってたら… 聞き間違い?認知症の母からの衝撃の一言
ようやく美香さんと結ばれて…「ソウルメイトなんだと思う」
美香さんと知り合って2年たって、ふたりはようやく結ばれた。その経験もすばらしかったと康太朗さんは振り返る。
「ただ、その晩、母の具合が悪くなって救急車で運ばれていたことを僕は知らなかった。深夜、満たされた気持ちで帰宅したら、子どもたちが『おとうさん、何やってるの』って。おとうさんの携帯がつながらないっておかあさんが焦っていたと。あわてて燿子に電話をし、病院に駆けつけました。結局、大事には至らず数日で母はまた帰宅しました」
退院させて自室のベッドに寝かせたとき、母は虚ろな目で彼を見ていた。非難されているような気がして、彼はふらりと家を出て美香さんのところへ行った。本当は家にいなければいけないのはわかっているのに。だが、心の中でこれは逃げではないとも感じていた。出会ってしまったのだ、運命の人に。
「美香とはたぶん本当にソウルメイトなんだと思う。こんなこと言うと怪しいヤツだと思われるのは承知の上です。でも人間って、出会うべきときに出会うべき人に出会うんですよ。僕にとって彼女は救いの女神だった。美香がいなかったら、僕は自分が何者なのか、仕事をする上で何を目標としたらいいかすらわからなかったかもしれない。彼女はキャリアウーマンだけあって仕事というものを知っている」
ひょんなことから会社を受け継いでしまった彼だが、経営者としてようやく腹が据わったのは美香さんに出会ってからだという。そういう意味では自分を変えてくれた人なのかもしれない。恋愛感情よりソウルメイトとしての感覚が強いというが、妻が知ったらそんなふうには思わないだろう。
美香さんと知り合って5年間、彼女への気持ちが一瞬たりとも緩んだことはない。常に「愛だけ」で向き合っている。では家族とは? そう問うと彼は口を開こうとしなかった。
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