気づけば街中に「整体」「もみほぐし」「リラクゼーション」の看板…女性客が“おなら”よりも気にする“悩み”について施術側はどう考えているのか
施術中の客が我慢していること
他人の体や肌に触れ、触れられることでサービスが成り立つ現場。リラックスするための場とは言え、客側と施術側にはなんとも言えない独特の緊張感が漂う。
そんななか、客ならば誰もが1度は耐え忍んだことがあると思われるものがある。
「おなら」だ。
突然こんな話で恐縮だが、筆者自身も月に2回ほど体を整えるための施術を受けるのだが、腹周りを刺激されるとどうしても腸が活発になる。そうなった場合、ひとり静かに、かつ必死に尻に力を入れ耐え忍ぶのだが、体がこわばっているんだろう、毎度「力を抜いてください」と言われてしまう。
が、今力を抜こうものならば、その日がその店での最後の施術になることは間違いない。
そんな月2回の経験が、今回「施術者」を取り上げようと思った大きな理由の1つになっていることはさておき、実際、施術中におならをしてしまう客はいるのだろうか。
「普通にいますよ。僕は気にならないが、患者さんは当然恥ずかしいと思いますね。もし出てしまった場合、『骨盤整えて腸が動き出しましたね。良い傾向です』とお伝えするようにしてます」(カイロプラクター)
「せっかくお金を出して来てるんですから、そんなこと気にせずリラックスしてください(笑)。あれだけお腹周りを刺激しているんですから、おならが出てしまうのはある意味当然だと思います」
「気になるようでしたら、施術前に繊維質のある食べ物を控えるなどするといいかもしれません。いずれにしても施術者にとっては日常事なので気になさらなくて大丈夫です」
ムダ毛の処理に一喜一憂
また、SNSなどを分析してみると、もみほぐしなどの施術でもう一つ気になることとして多かったのが「ムダ毛の処理」に関する女性客の声だった。
「仕事のあとエステの予定あったのに、ムダ毛を剃ってくるの忘れたので家に帰ります」
「施術中、何度か『あれ…スネ毛ってどうなってたっけ…』と気になって気になってマッサージどころじゃなくなった」
女性は施術前、ムダ毛を処理することをエチケットと感じている人が少なくない。たとえ施術者が同じ女性でも、やはり気になってしまう。
これに対し、施術側はどう思っているのか。
「そのままで全く問題ありません。むしろ剃ってから時間が経っているとチクチクして痛い」(アロマセラピスト)
「全く気にしません。男性のお客様も多くいらっしゃるので、女性のムダ毛にも抵抗はありません。ただ、オイルを使った施術は、産毛を含むムダ毛があると、オイルの伸びが全く違います。よりスムーズな滑りを体感したい方は処理してみていただけるといいのではないでしょうか」(アロマセラピスト)
一方、施術者が「困る」と感じる客としては、「遅刻をしてくる人」、「隣の客に迷惑がかかるほど大きな声で話を続ける人」という定番の回答のほか、こんな声もあった。
「施術中、スマホをそばに置いたりいじったりする客。身体を良くしようとするにしても、リラクゼーション目的にしても、スマホに集中すると自律神経の交感神経が優位となり、全体的に効果が薄れます」(あん摩マッサージ指圧師)
[2/3ページ]