ススキノ事件では自宅から発見、会津若松事件ではショルダーバッグに入れて自首…頭部が切断された5つの事件から見えること
3つの動機
神戸連続児童殺傷事件、首なし娘事件、足立区首なし女性焼殺事件、会津若松母親殺害事件、そして佐世保女子高生殺害事件と、この記事では5つの事件を見てきた。
「殺人者が被害者の遺体を損壊する動機は、主に3つあります。1つ目は、遺体をバラバラにして持ち運んだり、分散して遺棄することで、犯行を隠蔽するためです。犯行を隠蔽するための行動だと言えるでしょう。2つ目は、被害者に強い感情を持っているケースです」(同・記者)
強い感情には愛憎の両方が含まれる。愛する相手を殺害し、体の一部を切断して大切に保管したい――。先に見た「首なし娘事件」は、このケースだ。
「加害者が被害者に強い怨恨を持っている場合も、遺体を激しく損壊することがあります。憎い相手をメッタ刺しにしても飽き足らず、頭部を切断する犯人もいます。強烈な殺意が噴出してしまったと言えるでしょう」(同・記者)
2018年11月に起きた「高千穂6人殺害事件」では、宮崎県高千穂町の農家で6人の遺体が発見された。宮﨑県警の捜査で、自殺した次男が父母や長男、自分の妻など6人を殺害したことが明らかになった。そして被害者の中には、頭部を切断されたり、首に激しい損傷の跡が見つかったものもあった。いずれも激しい殺意を物語るものとされた。
「そして3つ目が、快楽殺人のケースです。犯人は特殊な妄想を現実のものにするため、往々にして遺体の一部を切断することがあります。相手は誰でもいいというケースと、特定の人物を狙うケースがあります」(同・記者)
道警の捜査
果たしてススキノの殺人事件は、どのような動機だったのだろうか──?
「捜査を難航させようとして頭部を持ち去ったのか、被害者の頭部に特殊な思い入れがあったのか、快楽殺人の要素が強いのか……。頭部を切断して持ち去ったことは事件の真相解明の鍵になるでしょう」(同・記者)
註1:〈札幌すすきの・首切断逮捕〉「医師の父はなぜ娘の逃走を助けたのか」殺されたAさんの奔放な行動と“特殊”なバーでの御法度行為…瑠奈容疑者とは”知り合い”だった(集英社オンライン:7月24日)
註2:一家全員逮捕!「札幌・首切り殺人事件」 “キーパーソン”に浮上した父親が専門誌に記した「医学的に“正しい”との信念を一旦手放すとき……」(デイリー新潮:7月25日)
註3:ススキノ切断遺体、医師の父親が凶器の準備から関与の疑い…ホテル入室は29歳娘か(読売新聞オンライン:7月25日)
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