ススキノ事件では自宅から発見、会津若松事件ではショルダーバッグに入れて自首…頭部が切断された5つの事件から見えること

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“優等生”の犯罪

 2007年5月、福島県で「会津若松母親殺害事件」が発生。当時17歳(高校3年生)の少年が、切断した母親の首をショルダーバッグに入れて会津若松署に自首するという事件が起きた。

「少年は取り調べに『誰でもいいから殺そうと思った』と供述し、被害者である母親への言及や反省の弁はなかったそうです。彼は県内でも有数の進学高に通うため、弟と共に実家を離れアパートを借りて住んでいました。最初は弟を狙っていたようですが、母親が泊まりにきたことから殺害に踏み切ったと説明。頭部だけでなく母親の右腕も付け根から切断し、白い塗料を塗って植木鉢に差していました」(同・記者)

 2008年2月、福島家庭裁判所会津若松支部は、殺人と死体損壊の非行事実に問われた少年を医療少年院送致の保護処分とする決定を下した。

「精神鑑定によると、少年は中学2年生か3年生の頃から死体の写真や猟奇的な内容のコミックを好むようになり、性的な興奮も得ていました。高校では人間関係に悩んでいたこともあり、殺人と遺体解体の妄想に没頭。さらにインターネットに“耽溺”し、昼夜逆転の生活を送るようになりました。将来への強い不安を覚える一方、不満も高まり、遂に母親を殺害して頭部を切断したのです」(同・記者)

猫の頭蓋骨

 2015年7月には長崎県で「佐世保女子高生殺害事件」が発生。佐世保市内のマンションで高校1年生の女子生徒の遺体が発見された。遺体はベッドに仰向けになって倒れており、頭部と左手首が切断され、他にも切断を試みた痕跡が認められた。

「同じマンションで一人暮らしをしていた同級生の少女が犯行を認めて緊急逮捕されました。少女は中学生の頃から猫の解体に熱中しており、マンションの冷蔵庫からは猫の頭蓋骨も見つかっています。14年には自宅で寝ていた父親を殺そうと金属バットで殴打。精神科医から『一緒に暮らすと命の危険がある』と助言されたため、少女は事件現場となったマンションで一人暮らしをしていました」(同・記者)

 7月23日、少女は継母に「猫を殺して楽しい」「人を殺してみたい」と告白。25日、父親が病院と協議し児童相談所に電話するが、勤務時間外などの理由で対応を拒否された。そして26日、少女は犯行に及んだ。

「少女の父親は弁護士で、県内でも有数の事務所を経営していました。学業優秀だった少女は、NHKのアナウンサーや検事を将来の夢として語っていたそうです。被害者の同級生とのトラブルは全くなく、動機については『人を殺して解剖してみたかった』と供述しました。一部の精神医学の専門家は、実母が2013年10月にがんで死去すると、父親が翌年5月に再婚したことが犯行に影響を与えたと指摘しました。父親は事件が発生した3カ月後に自殺しています」(同・記者)

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