ヒグマの胃から肉片や骨片が9キロ…北海道・朱鞠内湖で襲われた54歳「釣り人」地元猟友会が語った“駆除しても危なすぎる実情”

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ヒグマの生態も変わった

 北海道でヒグマと言えば、知床の大自然に代表される道東のイメージが強いが、

「今は道内のどこにだって出ますよ。2年前の7月には滝上町で女性が襲われて死亡していますし、11月には夕張市の山林で襲われたハンターが遺体で見つかっています。この辺りでも10日ほど前、子供が遊ぶ公園の中を通る姿が目撃されています。猟友会でもここ数年で30頭ほど駆除していますが、体重300~400キロ、体長3メートルなんてのがゴロゴロいますよ」

 なぜこんなに増えたのだろう。

「春グマ駆除を道が禁止したことが原因といわれています。春グマ駆除というのは、冬眠中のヒグマを狙って駆除することですが、獲りすぎて絶滅の危機が出てきたので、1990年に禁止されたんです。確かにそれ以来、増加の一途でした。そこでようやく今年の春から解禁となりました」

 これで解決するのだろうか。

「いや、そうもいかないと思いますよ。昔のように1頭100万円なんてこともないし、禁止されてから30年以上も経って、増加したから解禁と言われても、(ヒグマの)穴を見つけられる者がほとんどいなくなってしまった。私だって穴の見つけ方を知りません。ここまで増える前に、ヒグマの適正数をもっと考えるべきだったと思います」

 さらに、ヒグマの生態も変わってきたのではないかという。

「私は先輩から、ヒグマは2年に1度、1頭しか産まないと教わってきた。けれど最近は、2頭の子グマを連れた母グマを見ることがある。双子なのか、毎年産んでいるのか。クマは2歳から3歳で独り立ちし、自分のテリトリーを持ちます。クマが倍増すれば、倍のテリトリーが必要になるわけです。いくら北海道が広いと言っても、ケンカに負けて街に降りてこざるを得ないクマも出てくるわけです。そこを自分のテリトリーと認識してしまえば、そこに入ってきた人間を襲うことだってあります」

 それでも今回は何とか駆除できた。

「今回、襲われてしまった方は残念ですが、早く駆除できたことは良かったと思います。ヒグマは人間に出会うと9割方は逃げてしまいます。ただ、過去に人間に対して恨みでもあればよく覚えている動物です。それにしても、ここまで増えてしまうと……」

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