ヒグマの胃から肉片や骨片が9キロ…北海道・朱鞠内湖で襲われた54歳「釣り人」地元猟友会が語った“駆除しても危なすぎる実情”

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 5月14日、北海道北部の幌加内町・朱鞠内湖(しゅまりないこ)の湖岸で、釣りをしていた54歳の男性がヒグマに襲われ死亡した。翌日、ヒグマは駆除されたが、胃の中からは男性のものと思われる肉片や骨片など約9キロの内容物が確認された。

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 朱鞠内湖は日本最大級の淡水魚としれ知られるイトウの生息地で、5月から遊漁シーズンに入ったばかりだった。

 地元メディアの報道によると、14日午前5時半ごろ、被害者の西川俊宏さんはガイドの船で朱鞠内湖北東の湖岸に到着して釣りを始めた。午前9時ごろ、ガイドが迎えに行くと西川さんの姿はなく、すぐそばをうろつく1頭のヒグマを発見、110番に通報した。ヒグマは釣り人が使用する胴付き長靴を咥えていたという。

 翌15日には幌加内町や地元ハンターが現地に向かった。ヒグマが目撃された付近で西川さんのものと見られる釣り竿や救命胴衣、そして14時過ぎに頭部が見つかった。15時半頃、体長1・5メートルほどのオスのヒグマがハンターにより射殺される。ヒグマの胃からは、肉片や骨片などおよそ9キロの内容物が見つかったという。

 ヒグマといえば、日本に生息する最大の陸上動物だ。もっとも、ドングリやハチミツを好むと言われているが。地元猟友会に聞いた。

美味いと思ったら襲う

「どこかの大学の先生がテレビで『ドングリなど餌がなくなってきたから山から里に下りてきた』なんて言っていたけど、ヒグマは雑食で何でも食べますよ。ただ、あいつらは個体によって好みが変わるんです。牛や豚だって食べます。北海道は畜産が盛んだけど、全部のヒグマが牛や豚を襲うわけじゃない。たまたま襲ってみて美味いと思ったら、そればかり襲うようになるんです。それは人間に対しても同じです」

 今回のヒグマも、かつて人を襲ったことがあるのだろうか。

「それはわかりません。でも、古くは三毛別(さんけべつ)事件というのがあって、その時はまず妊婦を襲って味をしめ、女性を中心に10人を殺傷したことがあった」

 三毛別事件は日本史上最悪の熊害で、吉村昭の小説「羆嵐(くまあらし)」のモデルとなったことでも知られる。1915年の暮れ、朱鞠内湖から直線距離で30キロほど南西にある苫前村三毛別(当時)の開拓地でそれは起こった。

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