見えてきたプーチンの大敗北…冬将軍はロシア軍に味方せず、ウクライナ軍は教科書通りの戦術で

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非現実的な“万里の長城”

 ロシア軍も冬季にウクライナ軍が戦車で攻め込んでくる可能性は想定している。CNNは10月22日、「傭兵集団ワグネル、対戦車防御施設を建設 衛星画像で判明」の記事を配信した。

「記事によると、ロシアの民間戦争会社『ワグネル』が、東部のヒルスケに対戦車防御施設を建設していることが分かったそうです。全長は2キロで、セメントで作られたピラミッドが並び、戦車の走行を妨害する狙いがあると見られています。塹壕も設置され、動けなくなった戦車を破壊するつもりなのでしょう」(前出の記者)

 ロシアの一部メディアは、ヒルスケから南部に向かってスビトロダルスクという街まで防御施設を建設する予定と報じた。

 CNNは記事の末尾で、《これほどの長さの防御施設を作った場合、その全長は約217キロに及ぶ》と書き添えた。このような“万里の長城”の建設は、現実的には不可能だと揶揄したに違いない。

「たとえ長距離の対戦車防御施設が建設されたとしても、そこを死守する兵士がいなければ役に立ちません。今のロシア軍は士気が低下し、脱走も横行しているようです。無理矢理に動員した新兵をろくに教育せず、いきなり最前線に送っているとの報道もあります。ワグネルが作ったという防御施設を守るロシア兵は少なく、ウクライナ軍が易々と突破することは充分に考えられます」(前出の菊池氏)

春を待たずに敗戦!?

 もし冬季にウクライナ軍が猛攻撃を仕掛けたとしたら、ロシア軍は冬将軍の到来で補給に支障を来し、更に敵軍の猛攻にさらされる可能性が生じる。

「厳冬期に戦線が膠着するどころか、東部と南部の両方でロシア軍が総崩れになる可能性も否定できないと思います。春を待たず、ロシア軍が敗戦に直面する可能性もあると見ています」(同・菊池氏)

註:記事の原文は以下の通り。
With the cold months nearing and likely bringing a slowdown in ground combat, experts say the next weeks of the war are now expected to be vital, and another potential spike in intensity looms over Ukraine as each side seeks to strike another blow.

デイリー新潮編集部

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