スパイの報酬はいくらなのか? 韓国・ロシア・イスラエルから誘いを受けた佐藤優氏がその提示額を公開

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 スパイというと、007=ジェームズ・ボンドをイメージする人がいまだ多いかもしれない。超高級車「アストン・マーチン」を乗り回し、高級リゾートホテルに泊り歩き、世界中の美女たちと遊び、お金を湯水の如く使う。その報酬は一億円か二億円か。それ以上か。

 しかし、実際のスパイが幾らぐらいの報酬をもらっているかはまず明かされることはない。無論、CIAやMI6が統計を発表することもない。スパイの報酬はまさにトップシークレット中のトップシークレットである。

 そのトップシークレットを明らかにしてくれたのは、「インテリジェンスの達人」というべき元外務省主任分析官の佐藤優氏である。佐藤氏は、これまた世界の情報戦の内幕に詳しい外交ジャーナリスト、手嶋龍一氏との対談(新書『賢者の戦略―生き残るためのインテリジェンス―』)の中で、自らの実体験としてスパイの報酬をリアルに暴露している。

 佐藤氏は二○○二年、鈴木宗男事件に絡んで東京地検特捜部の「国策捜査」によって逮捕され、外務省から休職を命じられている。その際、ロシア、イスラエル、韓国などの情報機関から、スパイとして「うちで働かないか」とリクルートを受けたという。その時の提示金額がなぜかどの国もほぼ同額で、「年収と経費を含めてしめて五千万円でどうか」というオファーだったというのだ。佐藤氏はこう語っている。

「当時の私は、人間としての値札が一千万円、加えて経費を三千~四千万円使わせてやるという、この程度の情報屋だったわけです。愛人を持っていたり、バカラにはまっていたり、そういう趣味がない限り、インテリジェンス・オフィサーが一人で使う金額はだいたい三千万円、プラスアルファ一千万円程度なのだと思います」

■スパイに必要な資質とは

 しかし、佐藤氏はこれらの海外の情報機関からのオファーを即座に断った。そして、他国のスパイにはなることなく、五百十二日間の拘置所生活を終えて保釈されるや、ノンフィクション『国家の罠』を書いて作家としてのデビューを果たした。その後の八面六臂の活躍は、みなさんよくご存じの通りのはずである。

 佐藤氏は、インテリジェンスの仕事というのは、決してお金を得るためにするべきではないという。むしろ大切なのは、「愛国心」だという。なぜか。

「薄っぺらな愛国心の持ち主では、金を掴まされたり、弱みを握られたりすると、たちまち寝返ってしまうからです」

■小保方さんは狙われている?

 スパイ・リクルートの観点から佐藤氏がいま一番その動向を注目しているのは、あのSTAP細胞騒動の小保方晴子さんだという。

「理研の小保方さんの問題が起きたとき、僕がまず心配になったのは、彼女がイランや北朝鮮などにリクルートされたら、とても面倒なことになる、ということでした。彼女には研究者としての一定の能力がある。理系の脳も持っている、恐らく日本に対して恨みも持っている。三条件が揃っています。そんな彼女に、『あなたは研究が好きでしょう。わが国の新しい研究施設で生物兵器の研究をやりませんか。恨みも晴らせるんじゃないですか』などと声をかけてこないとも限らないのです」

デイリー新潮編集部